SEARCH

PAGETOP

細胞ネットワーク講座

エピゲノムダイナミクス研究室

立花 誠 教授 立花 誠 教授

キーワード:

エピジェネティクス、ヒストン修飾、発生・分化、生殖

ほ乳類の個体発生・細胞分化におけるエピゲノム変動について理解する

私たちの体は、一つの受精卵に由来する約200種類の細胞からできています。ゲノム情報が同じであるにもかかわらず、どうしてこれらの細胞は多様な機能を有しているのでしょうか?これを説明する仕組みの一つが、エピジェネティック制御機構です。エピジェネティック制御機構とは、DNAのメチル化修飾やヒストンの化学修飾のことです。これらにより修飾されたゲノムは“エピゲノム”と呼ばれます。エピゲノムはライフサイクルを通じてダイナミックに変動しており、かつ多様な生命現象に深く関わっていることが、近年の研究によって明らかになりつつあります。私たちの目標は、ほ乳類の個体発生・細胞分化におけるエピゲノム変動の生物学的意義と、その分子機構を明らかにすることです。

(上図)H3K9メチル化によるエピジェネティック制御機構。メチル化酵素(Writer)、脱メチル化酵素(Eraser)、そして修飾特異的結合分子である(Reader)の三者が関与する。(下図)
オス型細胞(緑)とメス型細胞(赤)に対する抗体で共染色したマウスの胎児期生殖腺。生殖腺の性は、H3K9メチル化と脱メチル化のバランスで制御されている。

メンバー

立花 誠 教授 tachiban[at]fbs.osaka-u.ac.jp
黒木 俊介 准教授 skuroki[at]fbs.osaka-u.ac.jp
岡下 修己  助教 okaokaoka[at]fbs.osaka-u.ac.jp
前田 亮 日本学術振興会特別研究員(PD)  
秋吉 美歌 特任技術職員  
武内 智子 事務補佐員(秘書)  

研究者の詳細を大阪大学研究者総覧Research Mapで検索できます。

  • ※メールアドレスの[at]は@に変換してください

Q&A

現在注目しているテーマは何ですか?
私たちは、ヒストン修飾によるエピジェネティックな制御がほ乳類の性決定に重要であることを発見しました。マウスにおいては、特定の胚発生期にヒストン修飾が正しくおこなわれないと、Y染色体を持っているにもかかわらずオスになれません。この事例に限らず、エピジェネティック制御による遺伝子発現制御機構は、ほ乳類の生殖機能において重要な役割を担っていることが分ってきています。現在私たちは、性決定と配偶子形成におけるエピジェネティック制御の役割を明らかにする研究を進めています。
最新のブレイクスルー、研究成果について教えてください。
遺伝子発現が抑制された染色体領域は、ヘテロクロマチンと呼ばれます。ヒストンH3の9番目のリジンのメチル化修飾(H3K9me)は、ヘテロクロマチンの代表的な“しるし”です。H3K9meは非常に安定な修飾であり、生涯にわたって外されないものと考えられてきました。ところが私たちは、ほ乳類では細胞種・時期特異的にH3K9meが大きく変動することを見いだしました。私たちは、H3K9meの動的変動がメチル化酵素と脱メチル化酵素の協調作用によってなされていること、そしてこのH3K9meの動的変動が細胞機能の"鍵"となる遺伝子の発現制御に必須であることを明らかにしました。
どのようなバックグラウンドを持つメンバーで研究をすすめていますか?
博士号を持っているスタッフは、農学、理学、獣医学部を卒業しています。
国内外の研究機関との連携について教えてください。
さきがけ研究領域「エピジェネティクス」に携わった研究者やアドバイザーは約40名おります、私は10年以上にわたって彼らとの研究交流を続けています。
今後どんな展開が期待されますか?
私たちは、エピゲノムの変動に代謝が重要な役割を担っている可能性を見いだしています。その発見を踏まえ、ほ乳類の胚発生期における代謝変動がどのようにエピゲノムを変えていくのかを明らかにしていきたいと考えています。

研究成果

論文、総説、著書

2020年

Maiko Yamamoto, Yoshiaki Suwa, Kohta Sugiyama, Naoki Okashita, Masanori Kawaguchi, Naoki Tani, Kazumi Matsubara, Akira Nakamura, Yoshiyuki Seki

The PRDM14-CtBP1/2-PRC2 complex regulates transcriptional repression during the transition from primed to naïve pluripotency

Journal of Cell Science 133(15)  2020 PMID:32661086 DOI:10.1242/jcs.240176

Kuroki S, Maeda R, Masashi Yano, Kitano S, Miyachi H, Fukuda M, Shinkai Y, Tachibana M.

H3K9 demethylases JMJD1A and JMJD1B control prospermatogonia to spermatogonia transition in mouse germline

Stem Cell Reports 15(2):424-438  2020 PMID:32679061 DOI:10.1016/j.stemcr.2020.06.013

Ideno H, Nakashima K, Komatsu K, Araki R, Abe M, Arai Y, Kimura H, Shinkai Y, Tachibana M, Nifuji A.

G9a is involved in the regulation of critical bone formation through activation of Runx2 function during development

Bone 137:115332  2020 PMID:32344102 DOI:10.1016/j.bone.2020.115332

Someda M, Kuroki S, Miyachi H, Tachibana M, Yonehara S.

Caspase-8, receptor-interacting protein kinase 1 (RIPK1), and RIPK3 regulate retinoic acid-induced cell differentiation and necroptosis.

Cell Death Differ. 27(5):1539-1553  2020 PMID:31659279 DOI:10.1038/s41418-019-0434-2

2019年

Chen J, Kuroki S, Someda M, Yonehara S.

Interferon-γ induces the cell surface exposure of phosphatidylserine by activating the protein MLKL in the absence of caspase-8 activity.

J. Biol. Chem. 294(32):11994-12006  2019 PMID:31217278 DOI:10.1074/jbc.RA118.007161

Okashita N, Kuroki S, Maeda R, Tachibana M.

TET2 catalyzes active DNA demethylation of the Sry promoter and enhances its expression.

Sci Rep 9(1):13462  2019 PMID:31530896 DOI:10.1038/s41598-019-50058-7

Miyawaki S, Tachibana M.

Role of epigenetic regulation in mammalian sex determination.

Curr. Top. Dev. Biol. 134:195-221  2019 PMID:30999976 DOI:10.1016/bs.ctdb.2019.01.008

Au Yeung WK, Brind'Amour J, Hatano Y, Yamagata K, Feil R, Lorincz MC, Tachibana M, Shinkai Y, Sasaki H.

Histone H3K9 Methyltransferase G9a in Oocytes Is Essential for Preimplantation Development but Dispensable for CG Methylation Protection.

Cell Reports 27(1):282-293.e4  2019 PMID:30943408 DOI:10.1016/j.celrep.2019.03.002

Fukuda M, Sakaue-Sawano A, Shimura C, Tachibana M, Miyawaki A, Shinkai Y.

G9a-dependent histone methylation can be induced in G1 phase of cell cycle.

Sci Rep 9(1):956  2019 PMID:30700744 DOI:10.1038/s41598-018-37507-5

2018年

Tatsumi D, Hayashi Y, Endo M, Kobayashi H, Yoshioka T, Kiso K, Kanno S, Nakai Y, Maeda I, Mochizuki K, Tachibana M, Koseki H, Okuda A, Yasui A, Kono T, Matsui Y.

DNMTs and SETDB1 function as co-repressors in MAX-mediated repression of germ cell-related genes in mouse embryonic stem cells.

PLoS One 13(11):e0205969  2018 PMID:30403691 DOI:10.1371/journal.pone.0205969

Masaki K, Sakai M, Kuroki S, Jo JI, Hoshina K, Fujimori Y, Oka K, Amano T, Yamanaka T, Tachibana M, Tabata Y, Shiozawa T, Ishizuka O, Hochi S, Takashima S.

FGF2 Has Distinct Molecular Functions from GDNF in the Mouse Germline Niche.

Stem Cell Rep. 10(6):1782-1792  2018 PMID:29681540 DOI:10.1016/j.stemcr.2018.03.016

Kuroki S, Nakai Y, Maeda R, Okashita N, Akiyoshi M, Yamaguchi Y, Kitano S, Miyachi H, Nakato R, Ichiyanagi K, Shirahige K, Kimura H, Shinkai Y, Tachibana M.

Combined Loss of JMJD1A and JMJD1B Reveals Critical Roles for H3K9 Demethylation in the Maintenance of Embryonic Stem Cells and Early Embryogenesis.

Stem Cell Rep. 10(4):1340-1354  2018 PMID:29526734 DOI:10.1016/j.stemcr.2018.02.002

Kuroki S, Tachibana M.

Epigenetic regulation of mammalian sex determination.

Mol. Cell. Endocrinol. 468:31-38  2018 PMID:29248548 DOI:10.1016/j.mce.2017.12.006

求める人物像(学生の方へ)

当研究室の研究内容に興味があり、研究をしたいという強い意欲のある方。生き物が好きな方、細かな手作業やモノづくりが好きな方も歓迎します。出身大学や出身学部は一切問いません。

連絡先

〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1-3
大阪大学大学院生命機能研究科 生命機能B棟1階 エピゲノムダイナミクス研究室
TEL:06-6879-4670
E-mail: tachiban[at]fbs.osaka-u.ac.jp(立花 誠 教授)

  • ※メールアドレスの[at]は@に変換してください

PAGETOP