時空生物学講座
がん病理学研究室
キーワード:
がん、白血病、転写後制御、シングルセル解析、代謝、クロマチン、疾患治療
がんを知り、己を知る、そしてがんに抗う手筈を知る
がんの病態に基づいた生命現象の理解と治療応用(一部Togo picture galleryから引用)
メンバー
井上 大地 教授 | d-inoue[at]patho.med.osaka-u.ac.jp |
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Q&A
- 現在注目しているテーマは何ですか?
- おもに二つあります。RNA生物学や代謝の観点から「がん細胞の脆弱性」を捉えること、時空間的な「細胞の来し方と行く末」を知るテクノロジーの開発です。
- 最新のブレイクスルー、研究成果について教えてください。
- もともとDNAレベルの情報の書き換えが原因と考えられてきた「がん」のメカニズムの一つとして、RNAレベルで遺伝情報が歪められることを、臨床検体やマウスモデルを用いた新しい解析方法で明らかにしてきました。また、がんをとりまく細胞を単一細胞レベルで深く知ることで、がんの解像度が飛躍的に高まってきました。
- どのようなバックグラウンドを持つメンバーで研究を進めていますか?
- MD、MDでない研究者、中国系、研究者志望、企業への就職志望など様々です。
- 国内外の研究機関との連携について教えてください。
- 米国時代のネットワークを生かして米国の研究者たちや、日本国内のさまざまな大学・研究機関と密に連携を行っています。
- 今後どんな展開が期待されますか?
- がん細胞の脆弱性やがんの成り立ちを新しい視点から捉えて、新しい病態の理解と新規治療応用へとつなげていきます。
研究成果
論文、総説、著書
2023年
BRD9 determines the cell fate of hematopoietic stem cells by regulating chromatin state
Nat Commun. 14(1):8372 2023 (PMID:38102116 DOI:10.1038/s41467-023-44081-6)
SETBP1 is dispensable for normal and malignant hematopoiesis
Leukemia. 37(9):1802-1811 2023 (PMID:37464069 DOI:10.1038/s41375-023-01970-5)
2022年
MDS cells impair osteolineage differentiation of MSCs via extracellular vesicles to suppress normal hematopoiesis
Cell Rep. 39(6):110805 2022 (PMID:35545056 DOI:10.1016/j.celrep.2022.110805)
Aberrant EVI1 splicing contributes to EVI1-rearranged leukemia
Blood. 140(8):875-888 2022 (PMID:35709354 DOI:10.1182/blood.2021015325)
2021年
Minor intron retention drives clonal hematopoietic disorders and diverse cancer predisposition
Nat Genetics. 53(5):707-718 2021 (PMID:33846634 DOI:10.1038/s41588-021-00828-9)
2019年
Spliceosomal disruption of the non-canonical BAF complex in cancer
Nature. 574(7778):432-436 2019 (PMID:31597964 DOI:10.1038/s41586-019-1646-9)
求める人物像(学生の方へ)
がん研究をしたい、という熱意がある方なら、大歓迎です。
連絡先
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2
大阪大学大学院医学系研究科・医学部基礎研究棟7階 がん病理学
E-mail: d-inoue[at]patho.med.osaka-u.ac.jp(井上 大地 教授)
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