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時空生物学講座

幹細胞恒常性システム研究室

森田 梨津子 准教授 森田 梨津子 准教授

キーワード:

皮膚、毛包幹細胞、恒常性システム、ライブイメージング、シングルセルオミクス

私たちの体を維持する仕組み:幹細胞システムの基本原理を理解する

私たちの体を構成する組織や器官は、多種多様な細胞から構成される細胞社会です。その構造や機能の恒常性は、組織幹細胞が最適なバランスで増殖・分化し、日々失われていく分化細胞や傷害を受けた細胞を補充することで維持されます。私たちは、皮膚や毛包をモデルに、幹細胞を中心とした恒常性維持システムの成り立ちと始動の仕組みを明らかにし、幹細胞と分化細胞が織りなす細胞社会の構築原理を理解したいと考えています。

毛包と内在する幹細胞システムの発生

長期毛包発生ライブイメージングによる細胞系譜解析

メンバー

森田 梨津子 准教授 morita.ritsuko.fbs[at]osaka-u.ac.jp Resarchmap
  • ※メールアドレスの[at]は@に変換してください

Q&A

現在注目しているテーマは何ですか?
組織幹細胞を中心とした恒常性維持システムの基盤は、胎児期に形態形成と共に生み出され、生後に引き継がれると考えられていますが、その確立過程は十分に理解されていません。
幹細胞及び器官の形態形成期(胎生期)から恒常性維持期(成体)への転換過程を明らかにし、恒常性システム始動の仕組みを理解します。
最新のブレイクスルー、研究成果について教えてください。
長期3次元 (3 D) ライブイメージングと単細胞トランスクリプトミクスを組み合わせた独自の1細胞解析手法により、毛包の幹細胞が従来の定説とは異なる細胞に由来し、既知のメカニズムとは別の仕組みで誘導されることを明らかにしました。さらに、毛包の形態形成と構成細胞の運命決定の協調メカニズムを説明する、新たな形態形成モデルとして”テレスコープモデル”を提唱しました。
国内外の研究機関との連携について教えてください。
国内では理化学研究所との共同研究を推進しています。
今後はどんな展開が期待されますか?
恒常性システムの成り立ちを理解し、その成果を研究・医療分野へ応用したいと考えています。
どのようなバックグラウンドを持つメンバーで研究を進めていますか?
出来たばかりの研究室ですので、現在メンバー募集中です。特に現ラボテーマの専門分野以外を極めてきた多様なバックグラウンドの方々もウェルカムです。
研究室から巣立った人たちはどのような道を歩まれていますか?
出来たばかりの研究室ですので、これから多くの学生が巣立っていくことを期待しています。

研究成果

論文、総説、著書

2022年

Ritsuko Morita and Hironobu Fujiwara

Tracing the developmental origin of tissue stem cells.

Dev Growth Differ. 64(9):566-576  2022 PMID:36217609 DOI:10.1111/dgd.12816

2021年

Ritsuko Morita, Noriko Sanzen, Hiroko Sasaki, Tetsutaro Hayashi, Mana Umeda, Mika Yoshimura, Takaki Yamamoto, Tatsuo Shibata, Takaya Abe, Hiroshi Kiyonari, Yasuhide Furuta, Itoshi Nikaido, and Hironobu Fujiwara

Tracing the origin of hair follicle stem cells.

Nature 594: 547_552  2021 PMID:34108685 DOI:10.1038/s41586-021-03638-5

Ko Tsutsui, Hiroki Machida, Asako Nakagawa, Kyungmin Ahn, Ritsuko Morita, Kiyotoshi Sekiguchi, Jeffrey H. Miner & Hironobu Fujiwara

Mapping the molecular and structural specialization of the skin basement membrane for inter-tissue interactions.

Nature commun. 12(1):2577  2021 PMID:33972551 DOI:10.1038/s41467-021-22881-y

2018年

Hironobu Fujiwara, Ko Tsutsui, Ritsuko Morita.

Multi-tasking epidermal stem cells: Beyond epidermal maintenance.

Dev Growth Differ. 60(9):531-541  2018 PMID:30449051 DOI:10.1111/dgd.12577

2016年

Ritsuko Morita, Miho Kihira, Yousuke Nakatsu, Yohei Nomoto, Miho Ogawa, Kazumasa Ohashi, Kensaku Mizuno, Tetsuhiko Tachikawa, Yukitaka Ishimoto, Yoshihiro Morishita, Takashi Tsuji.

Coordination of Cellular Dynamics Contributes to Tooth Epithelium Deformations.

PLoS One. 11(9):e0161336  2016 PMID:27588418 DOI:10.1371/journal.pone.0161336

求める人物像(学生の方へ)

当研究室の研究内容に興味があり、研究をしたいという強い意欲のある方。
生き物が好きな方、細かな手作業やモノづくりが好きな方も歓迎します。出身大学や出身学部は一切問いません。
私たちの研究室では、ライブイメージングやシングルセルゲノミクス、遺伝子改変技術など多彩な先端技術を駆使して研究を進めていきます。新しいことにチャレンジすることが好きな方、知的好奇心を追求したい方はぜひお問合せください。
生命機能研究科の恵まれた環境を生かし、思いっきりサイエンスを楽しみましょう。

連絡先

〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1-3
大阪大学大学院生命機能研究科 生命システム棟5階 幹細胞恒常性システム研究室
TEL: 06-6105-5240(森田 梨津子 准教授)

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