FBSコロキウム 246回ミトコンドリア動態学研究室
講演 |
酵母マイトファジーにおけるユビキチンの役割 SCHUSTER Ramona[ミトコンドリア動態学研究室] |
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日時 | 2020.9.3(木)12:15〜13:00 |
場所 | Zoomでのオンラインセミナーとなります。参加に必要なサインイン情報等は当日の午前中に、関係者へのメールにてアナウンス致します。 |
言語 | 英語 |
世話人 |
岡本浩二 |
酵母マイトファジーにおけるユビキチンの役割
ミスフォールドしたり損傷したタンパク質や不良オルガネラの品質を管理・維持することは、細胞の生存にとって非常に重要である。ユビキチン-プロテアソーム系は異常タンパク質を除去する仕組みの一つであり、進化的に保存されたユビキチンを基質タンパク質に付加・標識することで、分解を促進する。ユビキチンはいくつかの酵素反応カスケードによって基質タンパク質に付加されるが、ユビキチン特異的なプロテアーゼ(DUB)によって切断されうる。一方、凝集したタンパク質や余剰・不良オルガネラはオートファジーと呼ばれる仕組みによってリソソーム(酵母では液胞)に運ばれ分解される。ミトコンドリアに特異的な分解「マイトファジー」は、選択的オートファジーの一つである。哺乳類細胞では、ユビキチンに依存したマイトファジー経路が報告されているが、酵母では知られていない。そこで私たちは、酵母が持つ21種類の非必須DUBについて、選択的オートファジー、とりわけマイトファジーにおける役割を系統的に解析した。本コロキウムでは、これまでに得られている予備的なデータを紹介し、いくつかのDUBによるマイトファジーの促進または抑制、酵母マイトファジーの鍵因子Atg32の発現量やマイトファジーの始動における役割について発表する。この研究により、ユビキチン-プロテアソーム系と酵母マイトファジーとの繋がりを理解してゆきたい。