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FBSコロキウム 414回ヒト進化・機能ゲノミクス研究室

講演

「ヒトらしさの起源を求めて」

鈴木 郁夫[ヒト進化・機能ゲノミクス研究室 | 教授]

日時 2026年5月26日(火)12:15~13:00
場所 吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階セミナー室
言語 日本語
世話人

鈴木 郁夫 (教授)
E-mail: suzuki.ikuo.fbs[at]osaka-u.ac.jp
TEL: 06-6105-5247

「ヒトらしさの起源を求めて」

本年4月よりFBSにて「ヒト進化・機能ゲノミクス研究室」を主宰することになりました鈴木郁夫です。新天地での研究開始にあたり、皆様との対話や共同研究を通じて、生命現象の新たな側面に切り込んでいけることを楽しみにしています。私たちは、「動物の種を形作る特徴がいかなるメカニズムで決定されるのか」という根本的な問いを追求しています。中でも、人類の知性や言語の基盤となる「著しく拡大した大脳皮質」の進化に強い関心を持っています。脳のサイズは発生過程で産生されるニューロンの数に依存するため、その産生数を制御するヒト特有の遺伝的プログラムの解明が研究の核となります。これまでに私たちは、ヒト胎児脳の神経幹細胞で特異的に発現するヒト固有遺伝子NOTCH2NLを同定しました。この遺伝子は、脳発生のプロセスに介入することでニューロン産生数を劇的に増加させる機能を持っています。こうしたヒト固有遺伝子はゲノム中に数多く存在しながら、その多くが未開拓のまま眠っています。当研究室では、以下の多角的なアプローチにより、ヒトを人間たらしめるゲノム情報の解明を目指します:
1)バイオインフォマティクスによる網羅的探索:最新のゲノムデータを駆使し、種々の進化メカニズムを経て誕生したヒト固有遺伝子を網羅的に同定します。
2)ヒト脳オルガノイドを用いた機能検証:独自に確立した、1ヶ月以上にわたる神経幹細胞のタイムラプスイメージング系を用い、候補遺伝子がニューロン産生ダイナミクスをいかに変化させるかを検証します。
3)比較発生生物学的な解析:ヒトと類人猿の脳オルガノイドの直接比較や、マウス・ラット等のげっ歯類における脳構造の種差を解析することで、進化的に「保存されたプログラム」と「改変可能な領域」を明らかにします。
本セミナーでは、これまでの知見と、FBSで展開していく最新の研究計画についてご紹介します。多様な背景を持つ皆様と議論を深められれば幸いです。

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