FBSコロキウム 325回日本電子YOKOGUSHI 協働研究所
講演 |
バクテリアべん毛タンパク質輸送装置のポリペプチドチャネル複合体の形成機構とクライオFIB-SEM(JIB-4700F)の現状報告 木下 実紀[日本電子YOKOGUSHI協働研究所・特任助教] |
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日時 | 2023年5月23日(火)12:15〜13:00 |
場所 | Zoomでのオンラインセミナーとなります:参加に必要なミーティングリンク、ID、パスワードは事前に、関係者へメールにてご連絡致します。 |
言語 | 日本語 |
世話人 |
宮田 知子(特任准教授) |
バクテリアべん毛タンパク質輸送装置のポリペプチドチャネル複合体の形成機構とクライオFIB-SEM(JIB-4700F)の現状報告
バクテリアの運動器官であるべん毛は約30種類のタンパク質からなる超分子複合体で, 回転モーターとして働く基部体, ユニバーサルジョイントのフック, 推進力を発生するらせん型プロペラの繊維から構成される. べん毛の根元に存在するタンパク質輸送装置の働きにより, 個々のべん毛構成タンパク質は細胞の中から外へと運び出され, べん毛の中心軸に沿って貫通する細長いチャネルの中を拡散して先端まで移動し, そこで重合する. べん毛タンパク質輸送装置の構成タンパク質であるFliP, FliQ, およびFliRはらせん状に積み重なりFliP5-FliQ4-FliR1複合体を形成する. このFliP5-FliQ4-FliR1複合体はべん毛基部体MSリングの中心孔に配置され, べん毛構成タンパク質の通り道であるポリペプチド輸送チャネルとして働く. 本コロキウムでは, クライオ電子顕微鏡により解き明かされたMSリングに組み込まれる前後でのFliP5-FliQ4-FliR1複合体の構造を紹介するとともに, べん毛内部を貫通する輸送チャネルの形成メカニズムについて議論する. また, JEOLと連携して進めているクライオFIB-SEM(JIB-4700F)の改造がほぼ終了し, CRYO ARMと連携した細胞組織試料切片のトモグラフィーデータ収集を開始したので現状を報告する.
