FBSコロキウム 317回幹細胞・免疫発生研究室
講演 |
造血幹細胞ニッチの形成と維持の分子機構 尾松芳樹(生命機能研究科 幹細胞・免疫発生研究室・准教授) |
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日時 | 2022年12月15日(木)12:15〜13:00 |
場所 | 吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室 |
言語 | 日本語 |
世話人 |
尾松 芳樹 准教授 |
造血幹細胞ニッチの形成と維持の分子機構
成体の大部分の血液細胞は、骨髄にごく少数存在する造血幹細胞から産生される。造血幹細胞は骨髄で一生にわたり維持されるため、骨髄には造血幹細胞に必須のニッチ(特殊な微小環境)が存在すると考えられてきたが、その実体は長年不明であった。近年の一連の研究によって、サイトカインの一種であるケモカインCXCL12を高発現する細網細胞(CAR細胞)がHSCニッチの主要な構成細胞であることが明らかになった。本コロキウムでは我々がこれまで行ってきたCAR細胞に必須の転写因子の機能解析研究の紹介を中心に、最近相次いで発表された骨髄細胞のシングルセル解析による知見等を交えてこれまでに明らかになった造血幹細胞ニッチの実態について解説する。