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FBSコロキウム 290回細胞分子神経生物学研究室

講演

大脳皮質ニューロン形成過程で間接分化を介して生じるニューロンが果たす役割

畠中 由美子[細胞分子神経生物学研究室(山本研究室)・助教]

日時 2022年1月13日(木)12:15〜13:00
場所 Zoomでのオンラインセミナーとなります:参加に必要なミーティングリンク、ID、パスワードは事前に、関係者へメールにてご連絡致します。
言語 日本語
世話人

白崎 竜一 准教授
E-mail:shirasaki[at]fbs.osaka-u.ac.jp
TEL:06-6879-4635

大脳皮質ニューロン形成過程で間接分化を介して生じるニューロンが果たす役割

大脳皮質は哺乳類に認められる脳の領域であり、この大きな発達がヒトの知性獲得に重要と考えられている。皮質投射性ニューロンは脳室に面した脳室帯の幹細胞に由来し、先に生まれたニューロンは深い層に、後から生まれたニューロンはより浅い層に分布することで、特定の機能を持つニューロンが層状に配置することが知られている。この分化過程を脳スライス培養系で調べた結果から、分化様式には、幹細胞から直接ニューロンに分化するもの(直接分化)と、分裂能を持つ中間神経前駆細胞を介して間接的に分化するもの(間接分化)があることが明らかになった。しかし、個体内において、この分化様式の差が皮質形成にどのように寄与しているのかは不明である。そこで私達は、マウス脳を対象に、遺伝学的手法を用いて、特定の時期に生まれたこれらニューロンを区別し、間接分化が大脳皮質形成に果たす役割を解析することを目指した。現在Neurogenin2-CreERT2 (G2A)マウスとレポーターマウスを交配し、タモキシフェンと核酸類似体EdUを限定的に投与することで、特定の時期に生まれたこれらのニューロンを区別する方法を確立した。現在、それぞれのニューロンの性質や分布、形態的特徴を調べている途中である。また、G2AマウスとMADM(Mosaic Analysis with Double Markers)レポーターマウスを交配し間接分化より生じる娘ニューロンについても解析中である。これらの研究を紹介するとともに、これまでにわかった結果について論じたい。

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