FBSコロキウム 271回蛋白質研究所 高磁場NMR分光学研究室
講演 |
細菌べん毛モーターの回転子の構造変化による回転方向の制御と固定子のイオン透過機構の解明: 蛋白研の核磁気共鳴装置とクライオ電子顕微鏡を用いて 錦野 達郎[蛋白質研究所 高磁場NMR分光学研究室・博士研究員] |
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日時 | 2021年6月17日(木)12:15〜13:00 |
場所 | Zoomでのオンラインセミナーとなります:参加に必要なミーティングリンク、ID、パスワードは事前に、関係者へメールにてご連絡致します。 |
言語 | 日本語 |
世話人 |
宮ノ入 洋平 准教授 |
細菌べん毛モーターの回転子の構造変化による回転方向の制御と固定子のイオン透過機構の解明: 蛋白研の核磁気共鳴装置とクライオ電子顕微鏡を用いて
細菌のもつ運動器官の一つであるべん毛は、回転するモーターをもつ超分子複合体である。モーターは、自身が回転する回転子 (Rotor) 中の「C-ring複合体」とイオンチャネルとして機能する「固定子複合体 (Stator) 」2 つのタンパク質複合体が相互作用することで回転力を形成する(図)。具体的には、固定子複合体を介した膜外から細胞質へのイオン流入と共役した C リング中の FliG と固定子の相互作用の変化が膜内外の電気化学的エネルギー勾配を運動エネルギーに変換することで、トルクが生じる。固定子へのイオン流入は一方向に対して、モーターは時計回りと反時計回りの両方向に回転できる。しかしながら、モーターの回転方向の制御とエネルギー変換機構の詳細はよくわかっていない。本発表では、蛋白研の核磁気共鳴法による海洋性ビブリオ菌の FliG の構造変化の解析と高度好熱菌 Aquifex aeolicus の固定子複合体を構成する MotA 5 量体のクライオ電子顕微鏡による構造解析について発表する。
