FBSコロキウム 253回初期胚発生研究室
講演 |
感覚器形成におけるSox2遺伝子の発現制御機構 内川昌則[助教] |
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日時 | 2020年10月22日(木)12:15〜13:00 |
場所 | Zoomでのオンラインセミナーとなります:参加に必要なサインイン情報等は当日の午前中に、関係者へのメールにてアナウンス致します。 |
言語 | 日本語 |
世話人 |
世話人:橋本昌和 |
感覚器形成におけるSox2遺伝子の発現制御機構
転写制御因子Sox2は、さまざまな幹細胞や神経系・感覚器の発生を制御している。その発現は、Sox2遺伝子の周囲数100 kbに分布する30近い時間的・空間的な特異性の異なる発現制御領域(エンハンサー)によって制御されている。感覚器、特に内耳の発生を明らかにするために、内耳で活性を示すNOP1エンハンサーを解析した。その活性化には、Sox2とSall4の転写因子ペアが重要な役割を果たす。これはSox2の自己制御の一機構を示すとともに、難聴の原因遺伝子Sall4の関与を明らかにした。NOP1の研究はさらに、エンハンサーの活性化の特異性が、転写活性化因子の分布とともに、共同して働くZeb1/2などの転写抑制因子の作用範囲によって決まることを示した。エンハンサー群の探索から、その活性化機構の解析までをニワトリ胚を用いた方法とともに紹介したい。
