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FBSコロキウム 243回エピゲノムダイナミクス研究室

講演

マウスの性決定遺伝子Sryにおける新規転写産物の役割

宮脇慎吾[エピゲノムダイナミクス研究室]

日時 2020年7月2日(木)12:15~13:00
場所 Zoomでのオンラインセミナーとなります。参加に必要なサインイン情報等は前日までに、関係者へのメールにてアナウンス致します。
言語 日本語
世話人

黒木俊介(エピゲノムダイナミクス研究室)
Tel: 06-6879-4672
E-mail: skuroki[at]fbs.osaka-u.ac.jp

マウスの性決定遺伝子Sryにおける新規転写産物の役割

哺乳類の性は、Y染色体上に存在する性決定遺伝子Sryの有無により決定される。これまでSryは単一のエキソンで構成され、ひとつのタンパク質をコードする遺伝子であると考えられてきた。マウスのSry遺伝子座には、Sryを起点に左右で完全に相同な繰り返し配列(Inverted Repeat配列)が約50kbに渡り存在する。この特殊なゲノム構造のため、Sryの遺伝子構造などの詳細な解析は困難であった。私たちは、Sryを発現する生殖腺体細胞のトランスクリプトーム情報から、Inverted Repeat配列に、レトロトランスポゾンに由来する転写産物を発見した。Long-read RNAシークエンスなどの解析から、この未知の転写産物はSryの第2エキソンであり、マウスには、これまでに知られていないTwo-exon型のSry(Sry-T)が存在することを見出した。Sry-TノックアウトマウスはY染色体を持つにもかかわらずメスへ性転換する表現型を示し、Sry-Tを発現するXXマウスはオスへ性転換した。これらの知見から、Sry-Tは性決定に必須の転写産物であると考えられた。現在、第2エキソンおよびSry-Tの機能について解析中であり、本発表では最新の知見を報告する。

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