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2024.9.12 その他 第35回細胞生物学ワークショップ(開催レポート)

本ワークショップは、バイオイメージング技術習得を目的とした蛍光顕微鏡の実機講習会で、生命機能研究科の教育活動の一環です。第35回となる今回は、2024年7月29日(月)~8月2日(金)の日程で、オンサイトとオンラインを併用する形で開催しました。受講生として、全国の大学院生や若手研究者など57名(オンサイト14名+オンライン43名)が参加、生命機能研究科からは6名(オンサイト2名、オンライン4名)が参加しました。

午前中は講義、午後は顕微鏡を使った実習、夕方はその日の問題点をグループに分かれて総合討論というスケジュールで行いました。このオンサイト+オンライン併用は2021年から行っており、今年で4回目となります。オンサイト受講希望者が年々増加し、今年は45名を越えていましたが、実習に使える機材やスペースが限られていることから14人に絞り、43名はオンラインでの受講となりました。

  • 図1.オンサイトでの講義と実習の様子

オンサイトでは、実機に触れながら実習ができることや、疑問点を直ぐに実習講師に質問できるのが魅力です。図1は、オンサイトでの実習の様子です。講師の説明に、熱心に取り組んでいる様子が分かります。一方、オンラインでの受講も大きな利点があります。図2は、オンラインでの実習風景です。左と中央は実習中の講師。左側奥は、講師の手元を撮影しているカメラの担当者。右は、配信画面の切り替えを行っているオーディオビジュアルディレクター。実習している講師や、その手元、顕微鏡画面など、何台かのカメラで撮影し、必要に応じて画面を切り替えながら配信しました。アンケートでも、「オンライン配信でも非常にわかりやすい講義と実習でした」とか、「とても手元が見やすく、オンサイトよりも理解が深まったと思うほど」など、受講生からも高い評価が得られました(図3)。夕方は、オンサイトとオンライン6グループに分かれて討論を行い、その日の復習をしました。

  • 図2.オンライン実習での配信の様子
  • 図3.アンケート結果

今年も、無事にワークショップを終えることができ、受講生のアンケートも概ね好評でした(図3)。顕微鏡機材・会場の使用にあたり、生命機能研究科に感謝します。ご協力いただいた講師、TA、支援スタッフ、メーカーの皆さまに感謝します。

平岡泰[第35回細胞生物学WS事務局]

受講生の感想

現在検討中の研究テーマをさらに具体化することを目的として、ワークショップに参加させていただきました。顕微鏡実験の全体像を予想以上に掴むことができて、満足しております。このワークショップのおかげで、次のステップに進めそうです。(次は「どんな細胞が、どこで、どんな動きをしているか」という仮説を明確化していきたいと思います)

片木智一[大阪大学大学院生命機能研究科|大学院生(D2/D5)]

受講生の感想

私は生命機能研究科に所属しており、普段から実習で用いた顕微鏡を使うことも多いのだが、今回の講義・実習を通して「正しく」イメージングする重要性やその難しさを実感することができた。本ワークショップは5日間の短い期間とは思えないほど、充実した内容で、実習では光学系の原理理解・適切なイメージングの行い方・デジタルデータ解析・顕微鏡を用いた解析法を学ぶことができ、これからの自身の研究に活かそうと考えている。本ワークショップの参画者はイメージング研究の第一人者の先生・エンジニアの方であるが、実際にこれらの先生を講師とした洗練された講義を聴くことができた。講義内容は難しかったが、教科書やTAの補助もあったため比較的クリアに理解することができたように思う。また、参加した実習生やTAとも交流も深められ今後の研究活動へのモチベーションとなった。今回、歴史ある細胞生物学ワークショップにオンサイトで参加でき、大変有意義な5日間となった。

萩原仁[大阪大学大学院生命機能研究科|大学院生(D3/D5)]

受講生の感想

私はこのワークショップに参加することで、自分が今までどれだけ顕微鏡について知らずに観察をしていたのかを痛感しました。そして5日間で、体系的に基礎から顕微鏡や取得データ解析について学ぶことで、自分の研究にそれをどうやって活かしていこうかと、考えるだけでわくわくするようになりました。またそういった知識や技術の面だけでなく、顕微鏡を使う実験に際しての心構えまで学ぶことができます。そして総合討論では一日の間で学んだことを参加者みんなで整理することができ、自分の中にしっかりと落とし込むことができました。こうしたことを集中して学ぶことができるのは、この5日間を徹底的にサポートしてくださる講師やTAの皆様のおかげでした。講師の方々の講座は、どの授業も難しい内容を非常にわかりやすく解説してくださり、またそれでもわからなければ質問をすることで、じっくり理解ができるまで答えていただけました。また実習では講師とTAの皆様が一丸となって観察対象や、顕微鏡のセットアップをしてくださったおかげで非常にスムーズに進行し、密度の高い実習時間を過ごすことができました。このワークショップに参加して、これからの自分の研究がさらに面白くなると確信しています。 このようなワークショップを開催していただけたこと、講師とTAの皆様に深く感謝申し上げます。

三村知也[大阪大学大学院生命機能研究科|大学院生(D1/D5)]

TAの感想

私は一昨年に受講生として、今年は初めてTAとして「細胞生物学ワークショップ」に参加しました。普段は顕微鏡に詳しい方が少ない環境で顕微鏡を使用しているため、顕微鏡に詳しい専門の研究者の方や関連した会社の方が多数講師としていらっしゃる中で顕微鏡の原理から詳しく説明して頂けるこのワークショップは、自分の研究に必須な顕微鏡観察に関して正しい知識を学ぶことのできる大変貴重な機会だと感じています。一昨年受講した際には顕微鏡の光学原理を含めて新しく知る内容が多くあり、観察でトラブルが起こった際の対応や目的に合わせた撮影時の工夫が以前よりできるようになったと感じました。今回は前回より基礎的な知識がある状態で超解像イメージングや実際の解析手法など少し発展的な内容についても(すべてを理解できたとはいかないものの)1回目より理解を深めることができたように思います。2回の参加を通し、自身の研究手法を見直すとともに研究室の他の学生や先生方とも以前より詳しく観察の手法や結果について議論できるようになったと感じています。

金田紗苗[大阪大学大学院理学研究科生物科学専攻|博士後期課程1年]

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