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2022.9.7 その他 第33回細胞生物学ワークショップ(開催レポート)

本ワークショップは、バイオイメージング技術習得を目的とした「蛍光顕微鏡の実機講習会」で、生命機能研究科の教育活動の一環です。第33回となる今回は、2022年8月1日(月)~8月5日(金)の日程で、オンサイトとオンラインを組み合わせた形式で開催しました。受講生として、全国の大学院生や若手研究者など47名(オンサイト12名、オンライン35名)が参加、生命機能研究科からは11名(オンサイト4名、オンライン7名)が参加しました(図1)。

  • 図1.参加者の集合写真
    (上)オンサイトと(下)オンライン(一部)
    写真撮影時だけマスクを外しました

本ワークショップは、3年前までは、1週間の合宿形式でやってきました。午前は講義、午後は実習、夜はデータ解析や復習を行います。しかし2年前(2020年)は、新型コロナウイルス感染症によりオンラインだけで開催し、去年(2021年)は、オンラインを中心にオンサイトを1グループ(阪大学内者限定)で開催しました。今年は、全国の大学・研究機関からオンサイトの受講生を多く受け入れつつ(6人x2グループ)、オンライン参加もできるように、3つの実習を並行して行いました。

図2はオンラインでの実習風景。上は実習中の講師。顕微鏡モニター画面、顕微鏡ステージなど近景、実習講師など全体を写す遠景を切り替えながら配信。下は配信画面の切り替えを行うオーディオビジュアルディレクター。後述するアンケートでは、「配信のクオリティーが高い」「手元がアップで見られて良かった」「カメラワークが見やすかった」という配信についての評価の他に、「平野先生の実習は、飽きさせないようにしつつ、実験の目的や作業の注意点などを説明してくださったので、特に有意義でした」など、オンライン実習について高評価を頂きました。

  • 図2.オンライン実習風景
  • 図3.オンサイトでの講義と実習の様子
  • 図4.アンケート結果

今年、特に力を入れたのは、オンサイトでの実習です。去年と一昨年のアンケートでも受講生からの要望が大きく、オンサイトでの実習の実施が課題となっていました。今年のオンサイト参加の希望者は20名を越えていましたが、スペースと機材の関係で12名を受け入れました。図3に、オンサイトでの講義や実習の様子を示しました。講義や実習に熱心に取り組んでいる様子がわかります。夕方は、8つのグループ(オンサイト2グループとオンライン6グループ)に分かれて討論を行い、その日の復習をしました。

今年も、無事にワークショップを終えることができ、受講生のアンケートは概ね好評でした(図4)。顕微鏡機材・会場の使用にあたり、生命機能研究科に感謝します。ご協力いただいた講師、TA、支援スタッフ、メーカーの皆さまに感謝します。

平岡泰・平野泰弘

オンサイト受講生の感想

これまで蛍光顕微鏡の「使い方」は学んできましたが、顕微鏡の原理や蛍光の分子メカニズム等についての知識は非常に浅いものでした。現在取り組んでいる研究では顕微鏡観察を多用していますが、試料や目的に合った観察法を選択するには、顕微鏡に関するより深い知識の習得が必須であると常々考えていました。

本ワークショップでは、顕微鏡の基本原理・基本操作を学び、さらに今後実験を予定している生細胞イメージングや、Fijiを用いた定量解析方法について理解を深めることができました。顕微鏡を使用した実践形式の授業で非常にわかりやすかったのですが、一つ一つの実習が短く、また数が多かったため、最終日にいただいたデータがどういった実習のものか混乱してしまいました。ワークショップ後半の講義は理解が追いついていない部分が多いですが、顕微鏡に関する知識の涵養が今後自身の研究の発展にきっと役立つので、勉強を続けていきたいと思います。

佐伯麻里花(大阪大学・吉森研)

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