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FBSコロキウム 248回病因解析学研究室

講演

アンチセンス鎖遺伝子導入によるマウス胎仔精巣のpiRNA産生とサイレンシング

宮川さとみ [病因解析学研究室]

日時 2020年9月17日(木)12:15〜13:00
場所 Zoomでのオンラインセミナーとなります:参加に必要なサインイン情報等は当日の午前中に、関係者へのメールにてアナウンス致します。
言語 日本語
世話人

山口新平
Tel: 06-6879-3722
E-mail: yamaguchi[at]patho.med.osaka-u.ac.jp

アンチセンス鎖遺伝子導入によるマウス胎仔精巣のpiRNA産生とサイレンシング

piRNA(PIWI interacting RNA)は、siRNAやmiRNAよりもサイズが長い25~31塩基の小分子RNAである。piRNAは主に生殖系列の細胞で発現しており、レトロトランスポゾンの発現抑制に深く関与し、精子形成に必須の分子である。マウス胎仔期の雄性生殖細胞では、レトロトランスポゾン遺伝子のセンス鎖とアンチセンス鎖の両方が転写され、これが前駆体となりpiRNAが産生されると考えられている。これまでに我々は、人為的piRNA誘導による遺伝子サイレンシングシステムの開発をおこなってきた。de novo DNAメチル化に関与する遺伝子Dnmt3Lをターゲットとし、胎仔期精巣においてアンチセンス鎖のDnmt3Lを発現するトランスジェニックマウスを作製したところ、Dnmt3Lに対するpiRNAが産生され、その結果、Dnmt3Lがサイレンシングされること、そして、DNMT3L欠損マウスと同様に精子形成に不全の生じることを明らかにしてきた。さらに、トランスジーンのゲノム挿入部位やコピー数によるpiRNAの産生量やサイレンシングに違いがみとめられた。これまでの結果をふまえ、piRNAによるサイレンシングのメカニズムについて議論したい。

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