研究セミナー 自己vs非自己認識と抗ウイルス免疫機構
| 講演 | |
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| 日時 | 2026年11月18日(水)17:00〜18:00 |
| 場所 | 吹田キャンパス 感染症総合教育研究拠点 (CiDER) 1階 106小ホール |
| 言語 | 日本語 |
| 世話人 |
廣瀬 哲郎 |
自己・非自己の認識は生命活動における根源的なルールであり、とりわけ免疫機構において重要である。我々の免疫機構は、自身の細胞や臓器を「自己」として認識して攻撃せず、ウイルスや細菌などの病原体を「非自己」として特異的に認識し排除する。ウイルス感染初期の自然免疫応答では、細胞質に局在するRNAヘリカーゼであるRIG-I様受容体がウイルスRNAを特異的に認識する。我々は、RIG-I様受容体による抗ウイルス応答が、ユビキチンや様々なコファクタータンパク質によって階層的かつ厳密に制御されていることを見出した。
このように我々の免疫機構は厳密である必要があるが、この自己・自己認識が破綻してしまうこともある。我々は抗体が自己抗原を「誤って」認識してしまい、自己免疫疾患の発症に関与することを見出した。
細菌やアーキアといった、いわゆる原核生物もまた、ファージなどのウイルスに対抗するために独自の防御機構をもつ。地球上には数百万種を超える原核生物が存在するとされ、それぞれが独自かつ多彩な防御機構を進化させてきた。我々はCRISPR-Cas機構と呼ばれる防御機構に着目して研究を進める中で、プロテアーゼ活性を示すCas酵素を世界で初めて発見した。さらに現在、海洋研究開発機構(JAMSTEC)との共同研究により、深海の極限環境微生物から新規のプロテアーゼ型Cas酵素を探索している。その過程で、プロテアーゼ型Cas酵素を介した抗ファージ防御機構が驚くほど多様であることが明らかになりつつある。
本講演では、原核生物からヒトに至るまで、我々が明らかにしてきた多様な抗ウイルス戦略を紹介する。
