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FBSコロキウム 415回脳情報通信融合研究センター

講演

運動学習における見かけの忘却と文脈

横井 惇[情報通信研究機構 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター|主任研究員、大阪大学大学院生命機能研究科|招へい准教授]

日時 2026年6月2日(火)12:15〜13:00
場所 吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室
言語 日本語
世話人

柏岡 秀紀(招へい教授)
E-mail:hideki.kashioka[at]nict.go.jp
TEL:070-7061-6251

運動学習における見かけの忘却と文脈

時間の経過に伴い運動学習効果は低減するが、これが運動記憶そのものの逸失によるものなのか、あるいは記憶の読み出しの失敗によるものなのかは明らかにされていない。本研究ではヒト到達運動中の力場学習パラダイムを用いて、誤差による再学習を生じさせないプローブ試行中では時間経過による学習発揮の低下が試行を重ねるごとに回復することを見出した。このような見かけの忘却と回復は、分スケールから少なくとも24時間までの時間経過で確認され、時間経過に伴う忘却の少なくとも一部は記憶の読み出しの失敗によるものであることを示唆している。また、このような見かけの忘却と回復はHealdらによる文脈推論モデル (Heald et al., Nature, 2021) を用いて再現することが可能であり、文脈に関する不確実性に対応するモデル内部変数は、実験中に計測された瞳孔径と同様の振る舞い(経過時間の長さに応じた上昇およびプローブ試行中の低下)を示した。以上の結果は、時間経過に伴う運動記憶の(見かけの)忘却の少なくとも一部は、時間経過に伴う内的文脈のドリフトによる想起の失敗によるものであることを示唆するものである。

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