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FBSコロキウム 399回ミトコンドリア動態学研究室

講演

選択的ミトコンドリア分解の開始をロック・アンロックする仕組み

岡本 浩二[ミトコンドリア動態学研究室|准教授]

日時 2025年11月11日(火)12:15〜13:00
場所 吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室
言語 英語
世話人

岡本 浩二(准教授)
E-mail:okamoto.koji.fbs[at]osaka-u.ac.jp
TEL:06-6879-7970

選択的ミトコンドリア分解の開始をロック・アンロックする仕組み

不良または余剰なミトコンドリアの選択的オートファジーに依存した分解は「マイトファジー」と呼ばれ、生物種を超えて保存された仕組みであり、ミトコンドリアの質・量管理に寄与する。これまでの研究で積み上げられた知見により、マイトファジーの過剰・抑制のどちらも細胞の恒常性を損なうことが示唆されている。したがって、細胞はミトコンドリア分解を適切に制御する微調整機構を駆使していると考えられる。出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeにおいては、ミトコンドリア外膜タンパク質Atg32がコアAtgタンパク質の集積に必要な足場タンパク質Atg11と直接的に相互作用することで、ミトコンドリアを積み荷としたオートファゴソーム形成の起点となり、マイトファジーが進行する。Atg32-Atg11相互作用は複数のキナーゼ・ホスファターゼによって制御されており、これがマイトファジー開始の分子スイッチとして働く。私たちの最近の研究から、Atg32は自己阻害型タンパク質であり、分子内相互作用によってAtg11との結合を妨げている可能性、およびこの自己阻害の解除により、オリゴマー化を介したマイトファジー開始複合体が相分離を起こす可能性が提起されている。本コロキウムでは、ミトコンドリア分解の基本原理とヒトの健康・疾患におけるマイトファジーの意義についても議論する。

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