FBSコロキウム 398回がん病理学研究室
講演 |
ブロモドメインタンパク質による細胞分化・発がん制御機構の解明 西村 耕太郎[がん病理学研究室|准教授] |
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日時 | 2025年10月28日(火)12:15〜13:00 |
場所 | 吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室 |
言語 | 日本語 |
世話人 |
西村 耕太郎(准教授) |
ブロモドメインタンパク質による細胞分化・発がん制御機構の解明
造血過程において、造血幹細胞(HSC)はすべての血液細胞系統を産生し、血液恒常性の維持を担う。HSCは自己複製能と多能性分化能を備え、系統にコミットした前駆細胞を経て最終的に成熟血球へと分化する。HSCの機能維持と正常な分化は、エピジェネティックなクロマチン再編成によって転写プログラムが厳密に制御されることで可能となり、その破綻は腫瘍の進展に直結する。本コロキウムでは、クロマチン再構成に関与するブロモドメインタンパク質BRD9に着目し、造血幹細胞の維持・分化・腫瘍性造血における役割、さらに乳児白血病に特徴的なBRD9とp300リクルーターNUTM1との融合遺伝子による発症機構について紹介する。