FBSコロキウム 389回ユビキチン生物学研究室
講演 |
ミトコンドリアの遺伝情報が失われないようにする仕組みの研究 柳谷 耕太[ユビキチン生物学研究室|准教授] |
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日時 | 2025年6月24日(火)12:15〜13:00 |
場所 | 吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室 |
言語 | 日本語 |
世話人 |
柳谷 耕太(准教授) |
ミトコンドリアの遺伝情報が失われないようにする仕組みの研究
真核生物の細胞では、遺伝情報であるゲノムDNAは核、または、ミトコンドリアのなかに梱包されている。核ゲノムDNA(nDNA)は、細胞質から物理的に隔離されているため、細胞質で引き起こされる様々な現象の影響は受けにくい。例えば、細胞にアミノ酸が不足した場合、オートファジーが起こり、細胞質に存在する分子は、分解の標的となる。一方、核膜で細胞質から隔離されたnDNAは、基本的には、オートファジーによる消化からは免れる。一方、ミトコンドリア内部に存在するゲノムDNA(mtDNA)は、細胞質に存在するため、nDNAほど保護されていない。ミトコンドリアはオートファジーの標的になることがあるが、その際にmtDNAがミトコンドリアの他の構成成分とともに消化されるのか、それとも、何らかの保護を受けるのかは不明であった。本セミナーでは、激しいミトコンドリアの消化が起こる際に、mtDNAが保護される現象について紹介したい。