FBSコロキウム 375回幹細胞・免疫発生研究室
講演 |
造血幹細胞を維持する骨髄ニッチの性状およびその形成・維持に必須の分子基盤 尾松 芳樹[幹細胞・免疫発生研究室|准教授] |
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日時 | 2024年12月17日(火)12:15〜13:00 |
場所 | 吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室 |
言語 | 日本語 |
世話人 |
尾松 芳樹(准教授) |
造血幹細胞を維持する骨髄ニッチの性状およびその形成・維持に必須の分子基盤
成体の大部分の血液細胞は、骨髄にごく少数存在する造血幹細胞(HSC)から産生される。HSCは骨髄で一生にわたり維持されるため、骨髄にはHSCの維持に必須の特殊な微小環境(ニッチ)が存在すると考えられてきたが、HSCニッチの実体は長年不明であった。近年の一連の研究によって、ケモカインCXCL12を高発現する骨髄特異的な細網細胞「CAR細胞」がHSCニッチの主要な構成細胞であることが明らかになった。本コロキウムでは我々がこれまで行ってきたCAR細胞に必須の転写因子の機能解析や、CAR細胞の産生するCXCL12がHSCにもらたす作用の解析を中心に、これまでに明らかになった造血幹細胞ニッチの実態について解説する。