FBSコロキウム 366回染色体生物学研究室
講演 |
セントロメアの位置情報が安定に維持される仕組み 堀 哲也[染色体生物学研究室|准教授] |
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日時 | 2024年10月8日(火)12:15〜13:00 |
場所 | 吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室 |
言語 | 日本語 |
世話人 |
堀 哲也(准教授) |
セントロメアの位置情報が安定に維持される仕組み
染色体の正確な分配は、セントロメアに形成される動原体の安定維持により保障される。脊椎動物では、動原体形成位置はDNAの配列情報に依存しないCENP-Aをマーカーとしたエピジェネティックな仕組みで決定されるが、そのメカニズムには不明な点が多い。従来のモデルでは、G1期にCENP-AとシャペロンHJURPの複合体が、Mis18複合体を介してセントロメアに局在し、CENP-Aが導入されると考えられていた。しかし、ニワトリDT40細胞を用いた解析から、Mis18複合体の欠損下でも新規CENP-Aの取り込み活性が完全には失われないことが分かり、別の導入経路の存在が示唆された。そこで、DT40細胞を用いた異所局在化実験により同定した、セントロメアを誘導する活性を持つ因子群に着目し、遺伝学的な解析を行った。構造予測から得た分子モデルを基盤に行った細胞内での機能解析を含め、CENP-Aが導入される新たな仕組みについて紹介する。