FBSコロキウム 351回光物性研究室
講演 |
放射光を用いた密着型軟X線顕微鏡法の開発 佐々葉 遼平[光物性研究室|大学院生(D2/D5)] |
---|---|
日時 | 2024年4月16日(火)12:15〜13:00 |
場所 | Zoomでのオンラインセミナーとなります:参加に必要なミーティングリンク、ID、パスワードは事前に、関係者へメールにてご連絡致します。 |
言語 | 日本語 |
世話人 |
木村 真一(教授) |
放射光を用いた密着型軟X線顕微鏡法の開発
生物学における放射光の利用として真っ先に思い浮かぶのは、光子エネルギーが数10keVの硬X線を用いたタンパク質結晶構造解析である。一方で、光子エネルギー1keV前後の軟X線は、透過率が低い(吸収が強い)ために、あまり実験が行われていないのが現状である。しかしながら、生命科学において重要な、炭素や窒素、酸素といった元素のK殻吸収端が軟X線領域に存在するため、この領域の光を使うことで、新しい情報が期待される。そこで我々は、K吸収端の微細構造(XAFS)が化学結合によって変化することを用いた顕微鏡を開発している。ここで開発した顕微鏡は、密着型軟X線顕微鏡であり、細胞などの生体試料に対して照射した軟X線の透過光を可視光に変換して撮影することで、XAFSスペクトルを各ピクセルで取得することにより、化学種の2次元マッピングを行うものである。今回は、現在の開発状況に関して発表する。