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FBSコロキウム 348回生理学研究室

講演

嗅線毛に局在する嗅覚マスキング機構の電気生理学的手法による解明

竹内 裕子[生理学研究室|准教授]

日時 2024年1月30日(火)12:15〜13:00
場所 吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室
言語 日本語
世話人

竹内 裕子(准教授)
E-mail:hiroko[at]fbs.osaka-u.ac.jp
TEL:06-6879-7996

嗅線毛に局在する嗅覚マスキング機構の電気生理学的手法による解明

感覚細胞はそれぞれの特性に合わせ、機能を発現している。例えば、視覚の初段を司る視細胞には明順応・暗順応があり、ダイナミックレンジがシフトすることで私達を取り巻く外部環境の変化に対応している。嗅覚受容細胞も同様に嗅覚順応を特徴として、においの強度を応答との関係性を定量的にコントロールしている。かつて、その嗅覚順応は嗅覚情信号を脳内のみで修飾することで起こると考えられてきた。しかし、嗅覚受容の第一段階である嗅覚神経細胞のレベルで、既に情報変換チャネルの細胞内からのCa-CAM複合体によるネガティブフィードバックにより引き起こされる。これらは既に基礎的な生理学の教科書に記載されている。嗅細胞の特異的な機能は、情報変換の場であるシリアで局在しているが、シリアのナノスケール構造ゆえにこれまでの実験手技では解明できないことが多かった。その中でも、細胞外からにおいの感じ方を修飾する「嗅覚マスキング」は電気生理学を中心とした実験手技の発展によって近年発見された知見であり、古い教科書には記載がない。今回は「嗅覚マスキング」の嗅シリアにおけるメカニズムと私達を取り巻く日常における嗅覚マスキングの研究例を紹介する。

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