FBSコロキウム 344回免疫細胞生物学研究室
講演 |
破骨細胞の起源多様性から紐解く骨髄腔発生のダイナミクス 箭原 康人[免疫学フロンティア研究センター・特任准教授] |
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日時 | 2023年11月28日(火)12:15〜13:00 |
場所 | 吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室 |
言語 | 日本語 |
世話人 |
菊田 順一(准教授) |
破骨細胞の起源多様性から紐解く骨髄腔発生のダイナミクス
胎児期の造血発生は、絶え間なく連続的に進行する“波”に例えられる。まず卵黄嚢で赤血球とマクロファージが誕生し、次いでAGM(aorta-gonad-mesonephros)領域で造血幹細胞が発生する。造血幹細胞は、肝臓で増殖した後、骨髄腔へ移動することで、すべての血液細胞の供給源となる。この胎児造血から骨髄造血への移行に際し、破骨細胞は骨髄腔を創り上げることで、“造血の波”を維持する機能を持つことが想定される。これまでの研究成果から、破骨細胞は、卵黄嚢マクロファージと造血幹細胞由来単球から分化することが示された。さらに、起源の異なる破骨細胞は互いに細胞融合することでより効率的に骨吸収を行い、初期の骨髄腔発生を促進することが明らかとなってきた。本コロキウムでは、破骨細胞の融合現象と骨髄腔発生メカニズムの解明に向けた最新の研究成果を報告する。