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FBSコロキウム 342回パターン形成研究室

講演

ゼブラフィッシュのヒレ形成を支えるコラーゲン繊維の配向パターンを作り出すメカニズム

谷本 凜太朗[パターン形成研究室・大学院生(D3/D5)]

日時 2023年11月14日(火)12:15〜13:00
場所 吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室
言語 日本語
世話人

渡邉 正勝(准教授)
E-mail:watanabe-m[at]fbs.osaka-u.ac.jp

ゼブラフィッシュのヒレ形成を支えるコラーゲン繊維の配向パターンを作り出すメカニズム

建造物の建築では、木材や鉄筋が骨組みとして用いられる。これらの建材の並べ方・組み方によって、その建造物の概形は定まる。脊椎動物の体づくりでは、コラーゲン繊維がその骨格を成す「建材」に例えられる。コラーゲン繊維の「並べ方」、すなわち配向パターンは組織ごとに異なり、このパターンが、各組織が機能的に形成される上で重要であると考えられている。建築の場合、人が予め設計図を描き、それに基づいて建設を行う。だが、体づくりにおいて、細胞がいかにしてコラーゲン繊維の配向を制御し組織を形作るのか、よくわかっていない。私たちはゼブラフィッシュのヒレをモデルとし、その仕組みの解明を目指している。ゼブラフィッシュのヒレ先端部では、特徴的なコラーゲン繊維の構造体がヒレの平面上に一方向に配置する、という配向パターンをとることで、薄いヒレ組織の骨組みとして機能する。この構造体はアクチノトリキアと呼ばれ、ヒレ骨を直線的に発達させ機能的なヒレを形成するうえで重要な役割を果たすと考えられている。今回私たちは、ある遺伝子をノックアウトしたヒレ組織において、アクチノトリキアの配向が劇的に変化することを発見した。この変異体を解析することで、組織の形態形成を支えるコラーゲン繊維の配向パターンがどのようにして作り出されるのか、そのメカニズムに迫れると考えている。

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