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FBSコロキウム 340回細胞内膜動態研究室

講演

オルガネラ選択的オートファジーにおける小胞体繋留因子の機能解析

田邊 春樹[生命機能研究科大学院生(D5/D5)]

オートファジーによるゴルジ体分解の分子機構

橘田 真理[医学部医学科6年次]

日時 2023年10月31日(火)12:15〜13:00
場所 吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室
言語 日本語
世話人

南 聡(特任助教)
E-mail:minami[at]kid.med.osaka-u.ac.jp
TEL:06-6879-3588(遺伝学秘書室)

オルガネラ選択的オートファジーにおける小胞体繋留因子の機能解析

細胞が飢餓や細胞内小器官損傷などのストレスを受けると、細胞内大規模分解系であるオートファジーが誘導される。この過程ではオートファゴソームと呼ばれる二重膜構造体が細胞質成分を囲い込み、リソソームとの融合によって内容物を分解する。哺乳動物細胞ではオートファゴソーム膜伸長はオートファゴソームに沿うようにして湾曲する特殊な小胞体部位で起こることが知られている。そのためオートファゴソーム形成には小胞体特殊部位の制御や小胞体因子の関与が示唆されるが、これらについての知見は未だ少ない。私達はオートファジー関連候補因子のスクリーニングからオルガネラコンタクトに関わる小胞体因子に着目した。この小胞体因子のオートファジーにおける機能を調べたところ、基質選択性のないバルクオートファジーには明らかな関与は見られなかった一方で、ミトコンドリアや小胞体などのオルガネラ選択的オートファジーに必要であることを見出した。本コロキウムでは、この小胞体繋留因子のオートファジーにおける役割について紹介する。

オートファジーによるゴルジ体分解の分子機構

オートファジーは細胞質成分の分解およびリサイクルを担うシステムである。オートファジーは、細胞質成分を非選択的に取り囲んで分解するが、オートファジー受容体を介して特定のオルガネラやタンパク質などを選択的に分解することもできる。当研究室でオートファジー関連因子のスクリーニングを行ったところ、機能の知られていないゴルジ体膜タンパク質YIPF3/YIPF4を候補因子として同定した。この因子は、オートファジー受容体に必要な特徴的配列(LIRモチーフ)を持つことから、ゴルジ体選択的オートファジーの受容体として働く可能性が考えられた。そこで解析を行ったところ、YIPF3がLIRモチーフ依存的にオートファジータンパク質ATG8sと結合し、これら因子がオートファジーによるゴルジ体の分解に必要であることを見出した。本講演では、YIPF3/YIPF4のオートファジーにおける役割について紹介する。

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