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FBSコロキウム 335回認知脳科学研究グループ

講演

並列経路における視覚情報の自発的分離:二経路畳み込みニューラルネットワークを用いた検討

田村 弘[認知脳科学研究グループ・准教授]

日時 2023年9月12日(火)12:15〜13:00
場所 吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室
言語 日本語
世話人

田村 弘(准教授)
E-mail:tamura.hiroshi.fbs[at]osaka-u.ac.jp
TEL:内線7969

並列経路における視覚情報の自発的分離:二経路畳み込みニューラルネットワークを用いた検討

霊長類大脳皮質において、視覚情報は並列階層的に処理される。例えば、物体認識に関わる腹側経路の低次視覚野では色情報と形態情報が並列に処理され、腹側経路高次視覚野では色、顔、動物、非動物などの情報が並列に処理される。このような視覚属性に基づく情報の分離が、ガイダンス機構によらず、自発的に生じる可能性を明らかにすることを目的として、並列性を有した畳み込みニューラルネットワークを構築し検討した。多くのモデルインスタンスにおいて、色情報と形態情報が並列経路間で分離することが明らかになった。また、色情報を処理する経路をネットワークから削除すると非動物カテゴリの認識精度が低下し、形態情報を処理する経路をネットワークから削除すると動物カテゴリの認識精度が低下した。これらの結果は、視覚フィルタの性質や機能が並列経路を用意するだけで自発的に分離する可能性を示唆している。

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