FBSコロキウム 324回ユビキチン生物学研究室
講演 |
ミトコンドリア量の恒常性を司る仕組みの研究 柳谷 耕太[ユビキチン生物学研究室・准教授] |
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日時 | 2023年5月16日(火)12:15〜13:00 |
場所 | 吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室 |
言語 | 日本語 |
世話人 |
池田 史代(教授) |
ミトコンドリア量の恒常性を司る仕組みの研究
真核細胞では、呼吸によるATP合成や脂質代謝、鉄硫黄クラスター形成などの多くの重要な反応が、ミトコンドリアで行われている。ミトコンドリアの存在量は、細胞の種類によって異なっており、心筋細胞や褐色脂肪細胞では、多く増殖しているが、ケラチノサイトや好中球では、少量しか存在しない。しかし、興味深いことに、同じ種類の細胞間では、ミトコンドリアの量は、非常に類似している。これは、同じ種類の細胞間では、ミトコンドリアの量の恒常性が存在することが示唆される。しかし、ミトコンドリア量の恒常性制御の存在とそのメカニズムについては、不明な点が多い。一般的に、とある恒常性の仕組みを研究したい場合、その恒常的な状態を撹乱させる必要がある。そこで、我々は、ミトコンドリア量を撹乱することで、哺乳動物細胞における、ミトコンドリア量の恒常性を司るシステムの実態に迫っている。本セミナーでは、本研究の進捗状況を紹介したい。
