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FBSコロキウム 320回蛋白質研究所 超分子構造解析学研究室

講演

タンパク質結晶における回折吸収スペクトル法(DAFS)の開発

櫻井啓介[超分子構造解析学研究室・博士研究員]

日時 2023年1月26日(木)12:15〜13:00
場所 Zoomでのオンラインセミナーとなります:参加に必要なミーティングリンク、ID、パスワードは事前に、関係者へメールにてご連絡致します。
言語 日本語
世話人

中川 敦史 教授
E-mail:atsushi[at]protein.osaka-u.ac.jp
TEL:06-6879-4313

タンパク質結晶における回折吸収スペクトル法(DAFS)の開発

 1970年代、物質にX線を照射することによる内殻電子の励起によって得られる吸収スペクトルを測定するX線吸収微細構造解析(XAFS)法が開発され、物質内の着目元素の価数、配位原子の数、周囲の原子種や原子間距離等の局所情報が得られるようになった。また、XAFS法が開発される前から分子が3次元に規則正しく並んだ結晶にX線を照射することで生じる回折像から結晶中の電子の分布を計算し、その分布から原子の配置を決定するX線結晶構造解析法が存在している。1990年代からこれら二つの手法を組み合わせたDAFS法が開発され、主に合金分野で合金中の各原子の性質解析と理解に貢献してきた。DAFS法はXAFS法と同様に局所構造を解析する手法であるが、非対称単位中に同一原子が複数存在していても、それらを区別して観測できるXAFSに無い特性を秘めている。一方、タンパク質にも機能を実現するため同一の金属原子を複数有しているものが存在する。それら各金属原子の役割を個別に解析するためタンパク質結晶におけるDAFSの確認及び適応方法を模索している。このコロキウムでは現在の状況とこれからの展望を述べる。

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