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FBSコロキウム 310回ミトコンドリア動態学研究室

講演

オートファジーによるtRNA分解と修飾ヌクレオシドの細胞外排出〜現象から分子理解へ

久保田 満聖[ミトコンドリア動態学研究室・5年一貫制博士課程3年次生 日本学術振興会特別研究員DC1]

日時 2022年10月13日(木)12:15〜13:00
場所 吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室及び配信
言語 英語
世話人

岡本 浩二 准教授
E-mail:okamoto.koji.fbs[at]osaka-u.ac.jp
TEL:06-6879-7970

オートファジーによるtRNA分解と修飾ヌクレオシドの細胞外排出〜現象から分子理解へ

オートファジーはタンパク質やオルガネラなどの細胞内成分を分解する、酵母からヒトまで高度に保存された基本的なプロセスである。この経路では、脂質二重膜からなるオートファゴソームによって積み荷を包み込み、加水分解酵素を豊富に含むリソソーム(酵母では液胞)と融合することで分解する。最近の研究から、タンパク質やオルガネラに加えて、RNAもオートファジーによって分解されることが明らかになった。さらに、RNA分解産物のヌクレオシドや核酸塩基は、その一部が細胞外に排出される。しかしながら、これら分解・排出の機構には不明な点が多く残されている。これまでに、rRNAやmRNAはオートファジーによって分解されることがわかっているが、tRNAのオートファジー分解については報告されていない。また、RNA分解により、核酸合成やヌクレオチド合成に再利用できない修飾ヌクレオシドが生じるため、細胞外へ排出されることが重要と考えられているものの、その仕組みは未だ謎のベールに包まれている。そこで、細胞外に排出されたtRNA由来修飾ヌクレオシドに着目し、質量分析計を用いて定量解析することで、オートファジーによるtRNA分解とその後の修飾ヌクレオシドの細胞外排出についての分子理解を目指すこととした。本コロキウムでは、これまでに得られたデータを紹介するとともに、分子機構についてのいくつかの可能性を議論したい。

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