FBSコロキウム 307回エピゲノムダイナミクス研究室
講演 |
マウス性決定における鉄の役割 岡下 修己[エピゲノムダイナミクス研究室・助教] |
---|---|
日時 | 2022年9月15日(木)12:15〜13:00 |
場所 | Zoomでのオンラインセミナーとなります:参加に必要なミーティングリンク、ID、パスワードは事前に、関係者へメールにてご連絡致します。 |
言語 | 日本語 |
世話人 |
黒木 俊介 准教授 |
マウス性決定における鉄の役割
鉄は生物にとって必須の金属であり、種々の酸化還元反応を触媒する酵素の活性中心として機能しています。個体発生に重要なエピジェネティック制御であるDNA/ヒストンの脱メチル化も、活性中心に二価鉄(Fe2+)を持つ酵素によって触媒されています。ほ乳類の性決定は胎児の生殖腺に精巣決定因子Sry が発現するか否かで決定し、その発現により個体を雄へと誘導します。これまで立花研究室では、マウス胎児の性決定に鉄用要求性のDNA/ヒストンの脱メチル化酵素が重要であることを明らかにしてきました。これらDNA /ヒストンの脱メチル化を担う酵素による脱メチル化反応にもFe2+が必須とされています。加えて最近、性決定期の胎児の生殖腺で、細胞内への鉄の取り込みに関わる遺伝子群や、Fe2+の産生を促進する遺伝子群が高発現していることを見出しました。本コロキウムでは、性決定における鉄の役割、その重要性を紹介したいと思います。