研究セミナー 小脳における運動情報と非運動情報:2光子イメージングによる研究
講演 |
小脳における運動情報と非運動情報 喜多村和郎 [山梨大学] |
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日時 | 2019年6月21日(金)16:00〜17:30 |
場所 | 吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室 |
世話人 |
山本亘彦 |
小脳における運動情報と非運動情報
小脳は、運動制御や運動学習に重要な脳領域として、これまで、眼球運動や瞬目反射、到達運動等における役割が詳細に解析されてきた。適応的な運動制御を可能にするためのメカニズムとして小脳シナプス可塑性(LTD)や小脳内部モデルが提唱され、それを支持する結果が積み重ねられてきた。特に、LTDや内部モデルの機能を制御する誤差または教師信号としてはたらくとされる登上線維シグナルが運動の何をどのように表現しているのかについて、明らかにされている。一方、小脳は末梢のみならず、多くの大脳皮質領域や基底核、脳幹神経核と相互連絡があり、運動機能に限らず多様な情報をやりとりしていると考えられる。特に最近、小脳にも運動準備や報酬に関連する活動があることが次々に報告されている。我々は、2光子イメージング法を用いた神経活動記録により、認知運動課題を実行中のマウス小脳における運動情報表現や、多様な情報表現のマッピングを行っている。セミナーでは、これらの結果とともに最近の小脳研究について紹介する。