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研究セミナー エピソード記憶を司る神経回路メカニズムの研究

講演

北村 貴司(テキサス大学サウスウェスタン医学センター Assistant Professor )

日時 2022年7月6日(水)16:00~
場所 吹田キャンパス 銀杏会館 阪急電鉄・三和銀行ホール
世話人

八木健
Tel: 06-6879-7991
E-mail: yagi[at]fbs.osaka-u.ac.jp

要旨

我々は、日々の生活の中でさまざまな出来事に遭遇し、それを覚える。これをエピソード記憶と呼び、「いつ」、「どこで」、「何が」、「誰と」という情報を含む。エピソード記憶形成には大脳嗅内皮質―海馬回路が必要である。これまでの研究によって、「何が」、「どこで」の2つの情報がどのように脳の中に統合され、記憶されていくかについては比較的理解が進んでいるが、「いつ」という時間的情報が、「何が」や「どこで」という情報と、どのように脳の中で統合され記憶されるのか、更に「誰と」の情報がどのように記憶され、統合されるのか明らかではなかった。本セミナーでは、まず、それらに必要な特定の神経細胞種とその神経回路メカニズムについて発表する。2つ目に、エピソード記憶は自己参照効果により主観的に記憶されるが、その仕組みについて現在あまりわかっていない。今セミナーでは、この神経回路メカニズムについて発表する。最後に、自分で経験して覚えた記憶は、相手の状況や感情を理解する「共感」にも応用されていると考えられていたが、そのメカニズムは不明な点が多かった。本セミナーでは、記憶研究の視点から感情的共感の神経回路メカニズムについても議論する。

文献
1) Terranova et al., Neuron. 110(8):1416-1431 (2022)
2) Kitamura et al., Science, 356, 6333, 73-78 (2017)
3) Kitamura et al., Science, 343, 896, 896-901 (2014)
4) Kitamura T, et al., Cell, 139, 4, 814-827 (2009)
経歴等


2002年九州大学理学部生物学科卒業。2007年九州大学大学院理学府博士号(理学)取得。三菱化学生命科学研究所博士研究員、富山大学医学部生化学講座助教後、2011年に、マサチューセッツ工科大学利根川進研究室で博士研究員、2015年に上級研究員。2017年5月から、テキサス大学サウスウェスタン医学センター にて自身の研究室を開始。2014年に、神経科学奨励賞、2016年Infinite Kilometer Award(アメリカ)を受賞。2017年には、文部科学大臣表彰若手科学賞、Southwestern Medical Foundation Scholar in Biomedical Research(アメリカ)、UT System Rising STARs Award(アメリカ、副賞研究費3000万円)、Peter and Patricia Gruber International Research Award(アメリカ、副賞賞金300万円)を受賞。博士課程の大学院生、ポスドク研究員、随時募集中。

 

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