FBSコロキウム 299回脳情報通信融合研究センター

AIを「人間らしく」する脳情報融合

近年発展が著しい人工知能（AI）だが、得意とするパターン認識においても振る舞いに人間との差異が存在する。この問題を解決するため、私たちの研究グループでは、機能的MRIデータを基に構築した脳情報モデルの融合により、人間の脳情報処理を模倣するAIシステムの開発に取り組んでいる。このシステムを利用し、人間の複雑な行動を予測するパターン認識問題において、既存AIの性能を向上させることに成功した。さらに、その要因として、脳情報融合がAIの情報表現を、個人差も含めて脳の情報表現に近づけることを明らかにした。本講演では、「人間らしく」振る舞うAIの実現に寄与しうるAIへの脳情報融合について、私たちの一連の研究成果を紹介する。