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FBSコロキウム FDプログラム対象セミナー 283回病因解析学研究室

講演

1.piRNA依存的レトロトランスポゾン発現抑制機構におけるMORC3の役割

北 加奈子(生命機能研究科 病因解析学研究室・助教)

2.ドーパ・デカルボキシラーゼ(Ddc)蛍光レポーターマウスモデルの樹立と応用

シェン・キッチェン(生命機能研究科 病因解析学研究室、医学系研究科 神経内科学研究室・ポスドク研究員)

日時 2021年10月28日(木)12:15〜13:00
場所 Zoomでのオンラインセミナーとなります:参加に必要なミーティングリンク、ID、パスワードは事前に、関係者へメールにてご連絡致します。
言語 1:日本語 2:英語
世話人

山口 新平 助教
E-mail:yamaguchi[at]patho.med.osaka-u.ac.jp

1.piRNA依存的レトロトランスポゾン発現抑制機構におけるMORC3の役割

小分子RNAは遺伝子発現制御に重要な役割を担っており、その異常は発生停止や疾患に繋がる。我々は、小分子RNAの中でも生殖細胞特異的に発現しているpiRNA(PIWI-interacting RNA)に着目し、研究を行ってきた。piRNAは内在のレトロトランスポゾンから宿主のゲノムDNAを保護する“ゲノムの守護者”として機能することで、生殖細胞の発生・分化に必須の役割を担っている。piRNAの生合成には、マウスPIWIタンパク質であるMILI(Mouse PIWI like)と、MIWI2(Mouse PIWI2)が必要である。我々の研究室では、これらのマウスPiwiファミリー遺伝子の改変マウスを用いた解析から、piRNAの大部分はレトロトランスポゾン由来であり、その役割はレトロトランスポゾンDNAのメチル化による発現抑制であることを見出した。しかしながら、その詳細な分子機構には未だに未解明な点が多く残されている。本セミナーでは、MIWI2との結合タンパクとして新規に同定したMORC3の胎仔期雄性生殖細胞における機能的役割について最新の知見を報告する。

2.ドーパ・デカルボキシラーゼ(Ddc)蛍光レポーターマウスモデルの樹立と応用

脳は私たちの行動や反応をコントロールする最も重要な器官である。しかし、脳の細胞集団は複雑で、その機能や性質を研究するのは容易ではない。脳の生理機能をコントロールするエピジェネティクスや遺伝子発現などを研究するには、均質な神経細胞集団を分離する必要がある。本研究では、新規のノックインマウスを用いてこの問題に取り組み、ゲノムインプリンティングとシヌクレイノパシーの2つの研究テーマに応用した。
我々はドーパ・デカルボキシラーゼ(Ddc)蛍光レポーターマウスを作成した。このマウスのヘテロ個体を解析したところ、Ddcの発現アレルは脳の領域特異的にバイアスが存在することを見出した。また、細胞の生存率を向上させた改良型の神経細胞分離プロトコルを確立し、Ddc発現神経細胞をFACSを用いて収集した。この手法を用いて、α-シヌクレインが蓄積したドーパミン神経細胞のトランスクリプトームを解析したところ、脂質代謝経路がまず活性化し、その後タンパク質ストレス応答経路が活性化されていることを初めて明らかにした。特に、脂肪酸結合タンパク質1(FABP1)の発現は、マウスモデルとパーキンソン病患者の両方で増加しており、有力な創薬ターゲットとなりうると考えている。

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