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FBSコロキウム FDプログラム対象セミナー 280回ミトコンドリア動態学研究室

講演

生細胞内タンパク質間相互作用アッセイを用いたマイトファジー始動複合体に関する研究

劉 洋[ミトコンドリア動態学研究室・5年一貫制博士課程5年次生・日本学術振興会特別研究員DC1]

日時 2021年10月7日(木)12:15〜13:00
場所 Zoomでのオンラインセミナーとなります:参加に必要なミーティングリンク、ID、パスワードは事前に、関係者へメールにてご連絡致します。
言語 英語
世話人

岡本 浩二 准教授
Tel:06-6879-7970
E-mail:kokamoto[at]fbs.osaka-u.ac.jp

生細胞内タンパク質間相互作用アッセイを用いたマイトファジー始動複合体に関する研究

ミトコンドリア特異的オートファジー(マイトファジー)は、不良または余剰ミトコンドリアを選択的に分解し、ミトコンドリアの質と量の管理および細胞の恒常性に寄与する。マイトファジーは酵母からヒトまで高度に保存された仕組みであり、マイトファジーの不全は神経変性疾患・心/肝不全・老化・がんといった多くの病態につながると考えられている。出芽酵母では、1回膜貫通タンパク質Atg32がミトコンドリアの表面に蓄積し、Atg11(オートファゴソームの形成に必要な他のAtgタンパク質の分子集合を促進する足場タンパク質)およびAtg8(リン脂質ホスファチジルエタノールアミンに結合しオートファゴソーム形成を駆動するユビキチン様タンパク質)との相互作用によって、マイトファジー始動複合体を形成する。この複合体はマイトファジーに重要であるが、どのようにその形成が制御され、始動過程に機能しているかについては、まだよくわかっていない。これらの問題を明らかにするため、私たちは最近、NanoLuc Binary Technology(NanoBiT)を用いて、Atg32-Atg11およびAtg32-Atg8相互作用の定量アッセイを確立した。このアッセイは、生細胞内タンパク質間相互作用を解析できる生物発光ベースの検出システムであり、免疫共沈降法と比較して小規模かつ迅速である。本コロキウムでは、Atg32-Atg11およびAtg32-Atg8相互作用に重要なタンパク質についての最新データを総括するとともに、マイトファジー始動複合体がミトコンドリア隔離のためのオートファゴソーム形成をどのように駆動するのかについて議論したい。

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