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FBSコロキウム 279回染色体生物学研究室

講演

キネトコアの複雑なタンパク質間相互作用により保証される染色体分配機構

竹之下 憂祐[染色体生物学研究室・博士研究員]

日時 2021年9月30日(木)12:15〜13:00
場所 Zoomでのオンラインセミナーとなります:参加に必要なミーティングリンク、ID、パスワードは事前に、関係者へメールにてご連絡致します。
言語 日本語
世話人

堀 哲也 准教授
Tel:06-6879-4425
E-mail:thori[at]fbs.osaka-u.ac.jp

キネトコアの複雑なタンパク質間相互作用により保証される染色体分配機構

細胞が分裂する際には、遺伝情報を担う染色体は、親細胞からふたつの娘細胞へと均等に分配される必要があり、その機構の破綻は、染色体の不安定化を引き起こし、細胞のがん化などをはじめとする様々な疾患の原因となる。均等な染色体分配が遂行されるためには、染色体と紡錘体微小管とを正確につなぐことが重要であり、その役割を担うのが、キネトコアである。キネトコアの機能は、染色体と紡錘体微小管とをつなぐという、一見単純なものに見えるが、そこを構成するタンパク質間相互作用は極めて複雑である。実際、100種以上のタンパク質から構成されており、構成因子であるCENP-CとCENP-Tが、それぞれが独立に、紡錘体微小管結合複合体であるKMNネットワーク(Knl1複合体、Mis12複合体、Ndc80複合体)をリクルートする。これらは、それぞれCENP-C経路、CENP-T経路とよばれ、ニワトリDT40細胞を用いた我々の研究から、CENP-T経路が、染色体と紡錘体微小管とをつなぐ主要な経路であることが明らかになっている。しかし、CENP-CがCENP-Tの役割を部分的に補うため、単純な機能破壊実験でCENP-T経路の詳細な役割を調べることは困難であった。我々は、多様なゲノム工学技術を組み合わせて、CENP-T経路における複雑なタンパク質間相互作用を操作することで、CENP-T経路の染色体分配における役割を明らかにした。本セミナーでは、CENP-T経路によって保障される、正確な染色体分配の詳細なメカニズムについて紹介する。

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