FBSコロキウム 273回生体機能分子計測研究室
講演 |
大腸菌べん毛モーターの回転方向に依存した回転ゆらぎ 福岡 創[生体機能分子計測研究室(石島研究室)・准教授] |
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日時 | 2021年7月1日(木)12:15〜13:00 |
場所 | Zoomでのオンラインセミナーとなります:参加に必要なミーティングリンク、ID、パスワードは事前に、関係者へメールにてご連絡致します。 |
言語 | 日本語 |
世話人 |
福岡 創 准教授 |
大腸菌べん毛モーターの回転方向に依存した回転ゆらぎ
大腸菌はべん毛モーターと呼ばれる回転運動装置を使って液体環境中を遊泳する.べん毛は,細胞膜に埋め込まれた回転モーター,スクリューとして機能するべん毛繊維,両者をつなぐユニバーサルジョイントのフックで構成され,大腸菌はモーターにつながったべん毛繊維を回転させて遊泳する.大腸菌は1細胞あたり6−8本のべん毛を有しており,モーターが反時計回転時(CCW回転)はべん毛が束化し直線遊泳をするのに対し,時計回転時にはべん毛束が解け,細胞は方向転換する.我々は,べん毛繊維に微小なポリスチレンビーズを付着させ,さらに高速カメラでビーズの回転を計測することで,モーターの回転を解析している(ビーズ法).我々は,このビーズ法によりモーターの回転を回転方向別に詳細に解析したところ,CW回転時よりもCCW回転時の方がビーズの回転軌道が大きく揺らぐことを発見した.本発表では,この新たに発見した大腸菌べん毛モーターの回転方向依存的な回転ゆらぎについて,高速カメラを用いた高時間分解能計測による詳細な解析とゆらぎの原因探索についての最近の研究成果を紹介する.
