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FBSコロキウム 270回産業科学研究所 生体分子反応科学研究室(黒田研)

講演

銅アミン酸化酵素の中性子構造と動的構造

岡島 俊英[産業科学研究所 生体分子反応科学研究室(黒田研究室)・准教授]

日時 2021年6月10日(木)12:15〜13:00
場所 Zoomでのオンラインセミナーとなります:参加に必要なミーティングリンク、ID、パスワードは事前に、関係者へメールにてご連絡致します。
言語 日本語
世話人

岡島 俊英 准教授 
Tel:06-6879-4292
E-mail:tokajima[at]sanken.osaka-u.ac.jp

銅アミン酸化酵素の中性子構造と動的構造

タンパク質からなる酵素は生命現象を実質的に支える分子マシンであり、化学反応を常温常圧で高効率に触媒し、生物に必要な分子の代謝と生合成反応を行なっている。我々は各種の構造解析手法を用いて、その作用機構を理解することを目指している。その中で、最も軽い原子である水素原子位置の実験的な決定に注目している。水素原子はタンパク質原子数の約半分を占め、酵素反応において中心的な役割を果たしているが、通常のX線結晶構造解析では可視化することが容易ではない。本セミナーでは、我々が決定した銅アミン酸化酵素の中性子構造を中心に、最近のトピックスを紹介する。中性子結晶構造解析では水素原子の可視化が可能であるため、銅アミン酸化酵素において特異な活性中心構造があることを明らかにすることができた。例えば、”宙に浮いた”かのように見える特異な水素イオン(プロトン)が存在し酵素反応に寄与することも見出した。また、精密な温度制御下、非凍結タンパク質結晶を安定に保ってX線結晶構造解析を行うことにも成功し、天然に近い結晶状態での酵素の動きを明らかにした。我々の研究が、酵素の真の姿を捉えるための第一歩になることを期待している。

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