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FBSコロキウム 264回日本電子YOKOGUSHI 協働研究所(難波研)

講演

速い!簡単!CRYO ARM 300によるハイスループット撮影システムおよび新たなグリッド開発について

牧野文信 / 藤田純三[日本電子YOKOGUSHI 協働研究所・招へい准教授 / 特任助教]

日時 2021年4月15日(木)12:15〜13:00
場所 Zoomでのオンラインセミナーとなります:参加に必要なミーティングリンク、ID、パスワードは事前に、関係者へメールにてご連絡致します。
言語 日本語
世話人

宮田知子 (日本電子YOKOGUSHI 協働研究所)
Tel:06-6879-4625
E-mail:miya[at]fbs.osaka-u.ac.jp

速い!簡単!CRYO ARM 300によるハイスループット撮影システムおよび新たなグリッド開発について

CryoEMを用いたタンパク質の構造解析は試料の結晶化を必要とせず、数μlのわずかな水溶液試料でデータ収集と解析を行うことができ、最近では到達分解能もX線結晶構造解析と同等レベルに高くなっている。
生命機能研究科では、日本電子(株)から提供されているクライオ電子顕微鏡CRYO ARM 300をベースとしたハイスループット自動撮影システムを構築し、一時間あたりに最大1000枚のデータ取得を可能としている。同時にリアルタイムで解析を行いAIを用いて判断できるシステムを構築している。また、初心者用のマニュアルなどを用意し、難波研を中心にしたメンバーがオペレーション時のサポートやグリッド作成時のアドバイスなど、充実したサポート環境も提供している、CryoEMにおいて世界有数の施設である。
また、大阪大学大学院薬学研究科の井上豪研究グループと共同で、メタンをメタノールに変換可能な光活性化ClO2ガスを用いた酸化反応をグラフェングリッドに適用することに成功し、「EG-grid」と名付けた。このEG-gridは、気液界面による変性問題も回避できる理想的なグリッドである。我々はこのグリッドを用いて、CryoEMによる構造解析ではベンチマークとなっている、GroEL、β-ガラクトシダーゼ、アポフェリチンの3種類のタンパク質について、それぞれ1.98 Å、1.83 Å、1.29 Åという高分解能の構造解析を短時間の撮影で達成した。このEG-gridはCryoEMにおける高分解能の構造解析を加速するための強力なツールになると考えられる。本セミナーではそれぞれについて紹介する。

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