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研究セミナー ―睡眠の仕組みと機能の解明を目指して― 視床による睡眠覚醒制御 

講演

本城 咲季子(筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 助教 (主任研究者))

日時 2021年3月01日(月)17:10〜
場所 Zoomによるセミナー
世話人

八木 健
Tel: 06-6879-7991
E-mail: yagi[at]fbs.osaka-u.ac.jp

睡眠は神経系を持つ生物に普遍的な生命現象である。哺乳類の睡眠は夢を見るレム睡眠、意識の失われるノンレム睡眠に分かれ、個体の意識レベルは睡眠覚醒サイクルを通じて大きく変動する。しかし、なぜ神経系を持つ生物は生存の危険をかけてまで眠らなければならないのか、睡眠の仕組みや機能は未解明のままである。
睡眠覚醒サイクルを通じ、認知機能を担う大脳皮質の活動パターンは大きく変化する。そのメカニズムとして、我々は視床という脳領域に着目した。視床の神経細胞は投射、結合パターンによりコア細胞とマトリックス細胞に大きく分類される。コア細胞は感覚器官から大脳皮質への情報伝達を担っており、視覚のコア細胞は一次視覚野へ、聴覚のコア細胞は一次聴覚野へと、特異的な投射パターンを示す。対照的に、マトリックス細胞は、単一細胞が視覚野、運動野、前帯状皮質、聴覚野など広範な大脳皮質領域に非特異的に投射する。我々はまず視床マトリックス細胞の発火頻度を自由行動下のマウスにおいて測定し、マトリックス細胞の発火頻度は大脳皮質の活性化と高い相関を示す事を見いだした。また、マウスがノンレム睡眠から覚醒する際、マトリックス細胞の活動上昇は、大脳皮質活性化および筋肉シグナルの上昇に先行していた。さらに光遺伝学を用いて視床マトリックス細胞を高頻度で発火させると、大脳皮質がノンレム睡眠様から覚醒時活性化脳波へと移行し、マウスが動き始めるという結果が得られた。一方、レム睡眠中にマトリックス細胞の活性化による覚醒状態への遷移は観察されなかった。さらに視床コア細胞の光遺伝学刺激ではノンレム睡眠、レム睡眠のどちらにおいても覚醒を促進する効果は観察されなかった。これらの結果は感覚情報の受容それ自体が覚醒状態を維持するのではなく、大脳皮質の協調的な活性化が覚醒状態に必要である事を示唆する。


参加希望の方は以下から2月28日までに参加申し込みをお願いします。登録後、ミーティング参加に関する情報の確認メールが届きます。


https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZIvd-mgqTsvGtQUvFhr18Etr_D9Djx4APU7

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