FBSコロキウム 263回生体バリア細胞生物学研究室(月田研)
講演 |
平面内細胞極性は局所的な微小管束化形成を介して多繊毛同調運動を制御する 中山 彰吾[大学院生/生体バリア細胞生物学研究室(月田研究室)] TJに局在する微小管結合タンパク質LUZP1はアピカル収縮を制御する 矢野 智樹[助教/生体バリア細胞生物学研究室(月田研究室)] |
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日時 | 2021年1月28日(木)12:15〜13:00 |
場所 | Zoomでのオンラインセミナーとなります:参加に必要なサインイン情報等は当日の午前中に、関係者へのメールにてアナウンス致します。 |
言語 | 日本語 |
世話人 |
世話人:田村 淳 |
平面内細胞極性は局所的な微小管束化形成を介して多繊毛同調運動を制御する
多繊毛上皮細胞は、平面内細胞極性(PCP)を介して繊毛の配向と配置を揃えることで粘液流の産生を可能にしている。近年、アピカル微小管ネットワークが繊毛の空間配置の決定において重要な役割を担うことが示唆されてきた。しかしながら、PCPを介したアピカル微小管ネットワークの制御メカニズムについていまだに明らかにされていない。我々は、Ex vivo ライブイメージング解析やTIRF顕微鏡を用いた単一分子解析などの手法により、PCPを介した気管多繊毛上皮細胞における微小管制御メカニズムについての解析を進めている。ここでは、PCP関連因子Dapleを介した微小管制御機構に関する新規所見について紹介したい。
TJに局在する微小管結合タンパク質LUZP1はアピカル収縮を制御する
上皮細胞apical面でのアクトミオシンの収縮によるapical constrictionは生体の高次形態形成において重要な上皮細胞形態変化の典型的な例である。アクトミオシンが細胞間接着装置に連結して収縮力を発揮する際のアドヘレンスジャンクションの役割については多くの研究が進展してきたのに対し、タイトジャンクション(TJ)の役割については未開拓の部分が大きい。また、現在までにapical constrictionと微小管の配向は密に関係していることが示されてきたが、その詳細なメカニズムは未解明のままであった。近年、我々は上皮細胞のアピカル面直下に微小管ネットワークを見出し、このネットワークはTJに局在する微小管結合タンパク質 (TJ-MAPs)と相互作用している事を示した。本コロキウムではTJ-MAPの1つであるLUZP1について解析を行ったのでその研究成果をご紹介したい。