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FBSコロキウム 259回生理学研究室

講演

ナノスケール嗅線毛の分子動態による嗅覚情報抽出

竹内裕子[准教授]

日時 2020年12月17日(木)12:15〜13:00
場所 Zoomでのオンラインセミナーとなります:参加に必要なサインイン情報等は当日の午前中に、関係者へのメールにてアナウンス致します。
言語 日本語
世話人

世話人:竹内裕子    
Tel :06-6879-7996
E-mail:hiroko[at]fbs.osaka-u.ac.jpp

ナノスケール嗅線毛の分子動態による嗅覚情報抽出

嗅覚は五感の中でも未知の点が多い。主な理由として、情報変換の場が直径100-200 nmの嗅線毛であるため、手法的に極めて難しい実験対象であることが挙げられる。私達の研究室では、生きたままの線毛の分子動態を実時間で記録・解析する研究を進めている。目的に応じて、独自の実験装置や新手法を開発しながら、この試料にまとわりつく実験的困難を克服してきた。概要としては、生理学的な状況下で単離嗅細胞の線毛内分子を実時間操作、線毛膜電流や線毛内Ca濃度の実時間応答を記録し、結果を計算機により定量的に解析する。本コロキウムでは、研究室で得られた新知見のうちの2つを紹介する。1つ目は香粧品や飲食品などで応用的に用いられる嗅覚マスキングの分子機構と各種産業応用例、2つ目は嗅線毛内のサブミクロン領域のCaイオン濃度変化と膜電流の同時計測によって見出された線毛特徴的な分子拡散動態と匂い順応の機構に関する新概念である。研究対象としては困難が多いが、超微細構造で起こる特徴的な現象は従来の常識を外れる例もあり、新たな生命科学研究の領域の香りがする。

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