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FBSコロキウム 257回細胞分子神経生物学研究室

講演

脳損傷後に神経回路の再編を引き起こす分子メカニズム

張理正[大学院博士後期課程3年]

日時 2020年11月26日(木)12:15〜13:00
場所 Zoomでのオンラインセミナーとなります:参加に必要なサインイン情報等は当日の午前中に、関係者へのメールにてアナウンス致します。
言語 英語
世話人

世話人:白崎竜一
Tel :06-6879-4635
E-mail:shirasaki[at]fbs.osaka-u.ac.jp

脳損傷後に神経回路の再編を引き起こす分子メカニズム

脳損傷後、代償的な神経回路再編が生じて機能回復に寄与する。その例として、大脳皮質運動野の損傷に伴い、健常側の運動野から損傷側中脳への新たな軸索投射が出現することが知られている。しかし、その分子機構は不明な部分が多い。私たちは、損傷側中脳で誘引性因子が発現することにより新たな投射が起こるという仮説を掲げて、この問題に取組んだ。まず、RNAseq法を用いて、損傷側中脳で発現上昇した遺伝子を調べたところ、多くのグリア細胞由来の分子が発現上昇することが分った。これらの分子の軸索投射形成に対する作用を調べるため、ゲノム編集ツールCRISPR-Cas9と子宮内電気穿孔法で特定遺伝子を欠損させる方法を用い、発現上昇した候補分子に対する受容体を健常側大脳で欠損させる実験を行った。その結果、TrkBあるいはIntegrin beta 3を欠損させた際、代償的回路の形成が阻害されたことから、損傷側中脳で増加した軸索誘導因子がこれら受容体を介して神経回路再編に関わることが示唆された。

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