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FBSコロキウム 251回生殖生物学研究室

講演

キイロショウジョウバエのstand still遺伝子は、分化していく雌性生殖細胞の維持に必須である

松井将也[D2/D5]

マイクロバイオームが制御するショウジョウバエ卵形成機構の解明

須山律子[特任助教]

日時 2020年10月8日(木)12:15〜13:00
場所 Zoomでのオンラインセミナーとなります。参加に必要なサインイン情報等は当日の午前中に、関係者へのメールにてアナウンス致します。
言語 英語
世話人

世話人:河口真一       
Tel :06-6879-7974
E-mail:shinkawa[at]fbs.osaka-u.ac.jp

キイロショウジョウバエのstand still遺伝子は、分化していく雌性生殖細胞の維持に必須である

有性生殖において、正常な配偶子を形成することは非常に重要であり、その形成過程は厳密に制御されている。キイロショウジョウバエのstand still遺伝子は35.8kDaのBEDタイプジンクフィンガータンパク質をコードし、その変異体(stil-KO)では羽化前に雌の生殖細胞のほとんどが消失する。ほかの生殖機能に関わる遺伝子と比べ、変異体では強い表現型を示すのにも関わらず、その機能は不明なままであった。我々は雌性生殖幹細胞の幹細胞維持に関与するDppシグナル経路を活性化させるとstil変異体の異常を回復し、またアポトーシスの阻害因子であるp35の過剰発現でも変異体異常を回復することを見出した。これらは、stilが分化を行う生殖細胞をアポトーシスによる細胞死から防御していることを示唆している。

マイクロバイオームが制御するショウジョウバエ卵形成機構の解明

環境因子の一つである微生物叢やその分泌物質は、宿主の栄養摂取、代謝の制御や、寿命、免疫系などの恒常性の維持に関わるだけではなく、生殖能力に影響を及ぼすことが示唆されている。しかしながら、微生物叢が細胞や分子レベルでどのように作用し個体の生殖機能を亢進するかという詳細な分子機構は不明である。我々は、ヒト同様に味覚や嗅覚などの感覚刺激を持ち、遺伝学的解析および細胞レベルでの解析が可能なキイロショウジョウバエをモデルとして、微生物叢環境下での卵形成亢進作用とその分子機構の解明を行なっている。本発表では微生物叢による卵形成課程の活性化、特に生殖幹細胞の挙動、とそれを制御する分子経路及び、個体内の組織間相互作用が及ぼす影響について紹介したい。

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