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FBSコロキウム 239回生体機能分子計測研究室

講演

蛍光イメージングによる細胞内情報伝達と大腸菌走化性応答の同時計測

福岡創[生体機能分子計測研究室]

日時 2020年6月4日(木)12:15~13:00
場所 Zoomでのオンラインセミナーとなります。参加に必要なサインイン情報等は前日までに、関係者へのメールにてアナウンス致します。
言語 日本語
世話人

福岡創(生体機能分子計測研究室)
Tel: 06-6879-4429
E-mail: f-hajime[at]fbs.osaka-u.ac.jp

蛍光イメージングによる細胞内情報伝達と大腸菌走化性応答の同時計測

大腸菌は走化性システムと呼ばれる情報伝達系によって外環境を認識・判断し、それに応じて運動装置であるべん毛モーターを制御し、自身にとって好ましい環境へ移動する。我々は、大腸菌1細胞の走化性応答について、高時間・空間分解能での計測に加えて走化性タンパク質の細胞内動態の計測を行っており、ミリ秒で起こる細胞応答や細胞内のタンパク質の結合・解離や酵素活性の定量的な解析から、細胞内の情報伝達のメカニズムを理解しようと考えている。大腸菌の走化性システムは、細胞膜上の受容体で認識された外部刺激に応じて細胞内の情報伝達分子であるリン酸化CheYの濃度(CheYp濃度)を調節する。CheYpはべん毛モーターに結合し、べん毛モーターの回転方向を反時計方向から時計方向へ変換させる。すなわちCheYp濃度とべん毛モーターの回転は密接に関係している。しかしながら両者の関係についての定量的知見は限られている。そこで我々はCheYpとCheZ(CheYpの脱リン酸化酵素)が結合することを利用して、両者の間の蛍光エネルギー移動(FRET)を計測することで細胞内の[CheYp]を定量すると同時に、細胞の走化性応答(べん毛モーターの回転)を『1細胞』で『同時』に計測した。その結果、大腸菌の走化性応答および適応現象について、1細胞内の[CheYp]と当該細胞の応答として定量的に計測することに成功した。本コロキウムでは、上述の研究結果を含めた研究室の最近の研究成果について紹介する。

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