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FBSコロキウム 234回ダイナミックブレインネットワーク研究室

講演

前頭前野に階層性は存在するか?

渡邊慶[ダイナミックブレインネットワーク研究室]

日時 2019年12月12日(木)12:15~13:00
場所 吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室
言語 日本語
世話人

中野珠実(ダイナミックブレインネットワーク研究室)
Tel: 06-6879-4431
E-mail: tamami_nakano[at]fbs.osaka-u.ac.jp

前頭前野に階層性は存在するか?

例えば料理のようにいくつものサブゴールを順序だてて遂行し、全体のゴールを達成する能力は実行機能と呼ばれる。これまでのヒトfMRI研究により、実行機能は前頭前野外側部の階層的情報表現によって実現されるという証拠が得られている。即ち、全体のゴールをサブゴールに適切に分割する役割は前頭前野の前方領域が行い、サブゴールの遂行は前頭前野の後方領域が担うとされ、前頭前野においても、感覚-運動野と同様に、機能的階層性(情報の表現のされ方)と解剖学的階層性(脳での表現のされ方)の間に対応関係が存在するとされた。しかし、最近のfMRI研究では、前頭前野には機能的‐解剖学的階層構造は存在しないとする結果も少なからず報告されている。我々は、この点に注目し、前頭前野における機能的‐解剖学的階層構造の有無を詳細に検討する目的で、複数の複雑な認知課題を遂行中のマカクザルの前頭前野外側部において、最前部(前頭極)から最後部(前頭眼野)までくまなくニューロンの発火活動とLFPを記録・解析した。本セミナーでは、そこから明らかになった、サルにおける前頭前野の階層的情報表現について紹介する。

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