FBSコロキウム 160回病因解析学研究室
講演 |
MIWI2によるDNAメチル化を介したレトロトランスポゾン制御 北加奈子[病因解析学研究室] piRNAとなるRNAの選別機構 永森一平[病因解析学研究室] |
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日時 | 2017年5月17日(水)12:15〜13:00 |
場所 | 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室 |
世話人 |
山口新平(幹細胞病理学研究室) |
MIWI2によるDNAメチル化を介したレトロトランスポゾン制御
小分子RNAは遺伝子発現制御に重要な役割を担っており、その異常は発生停止や疾患に繋がる。我々は小分子RNAの中でも生殖細胞で高発現しているpiRNA(PIWI-interacting RNA)に着目し、研究を行ってきた。piRNAは内在のレトロトランスポゾンから宿主のゲノムDNAを保護する"ゲノムの守護者"として機能することで、生殖細胞の発生・分化に必須の役割を担っている。piRNAの生合成にはマウスPIWIタンパク質であるMILI(Mouse PIWI like)が重要であり、piRNAが機能するためにはMIWI2(Mouse PIWI2)との結合が必要である。我々はこれらのマウスPiwiファミリー遺伝子の改変マウスを用いた解析から、世界に先駆けてpiRNAの大部分はレトロトランスポゾン由来であり、その役割はレトロトランスポゾンDNAのメチル化による発現抑制であることを見出した(Miyagawa et al 2008 Genes & Dev)。しかしながら、piRNAの生理的な意義の報告から10年近く経過するにも関わらず、その詳細な分子機構には未だに未解明な点が多く残されている。本セミナーでは、MIWI2複合体がどの様にしてDNAのメチル化を導入しているか、又、数多ある転写産物からどの様にしてpiRNAに合成されるRNAが選別されているかなど、当研究室で行っている最新の知見を報告する。
piRNAとなるRNAの選別機構
小分子RNAは遺伝子発現制御に重要な役割を担っており、その異常は発生停止や疾患に繋がる。我々は小分子RNAの中でも生殖細胞で高発現しているpiRNA(PIWI-interacting RNA)に着目し、研究を行ってきた。piRNAは内在のレトロトランスポゾンから宿主のゲノムDNAを保護する「ゲノムの守護者」として機能することで、生殖細胞の発生・分化に必須の役割を担っている。piRNAの生合成にはマウスPIWIタンパク質であるMILI(Mouse PIWI like)が重要であり、piRNAが機能するためにはMIWI2(Mouse PIWI2)との結合が必要である。我々はこれらのマウスPiwiファミリー遺伝子の改変マウスを用いた解析から、世界に先駆けてpiRNAの大部分はレトロトランスポゾン由来であり、その役割はレトロトランスポゾンDNAのメチル化による発現抑制であることを見出した(Miyagawa et al 2008 Genes & Dev)。しかしながら、piRNAの生理的な意義の報告から10年近く経過するにも関わらず、その詳細な分子機構には未だに未解明な点が多く残されている。本セミナーでは、MIWI2複合体がどの様にしてDNAのメチル化を導入しているか、又、数多ある転写産物からどの様にしてpiRNAに合成されるRNAが選別されているかなど、当研究室で行っている最新の知見を報告する。