FBSコロキウム 161回ダイナミックブレインネットワーク研究室
講演 |
時間を計る脳のしくみ 林正道[ダイナミックブレインネットワーク研究室] 表情模倣から探る社会認知の発達 磯村朋子[ダイナミックブレインネットワーク研究室] |
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日時 | 2017年5月24日(水)12:15〜13:00 |
場所 | 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室 |
世話人 |
中野珠実(ダイナミックブレインネットワーク研究室) |
時間を計る脳のしくみ
私たちはダイナミックに変化する環境の中に現れる様々な刺激の時間情報(時間の長さ、間隔、タイミング)を意識的・無意識的に推定・学習し、運動や知覚の最適化、意思決定、社会的相互作用などに役立てています。「時間」は「空間」と同様に、我々の行動や認識を構成する最も基本的かつ重要な要素であるにもかかわらず、ヒトの脳でどのように表現されているかということはよく分かっていません。近年の研究では、「時間の長さ」の情報が、特定の時間の長さに選択性をもつニューロン群による「集団コーディング」によって表現されているとする証拠が次々と得られてきました。本講演では、この「時間の長さ」の脳内表現と、我々の主観的な時間感覚の関係についての最新の研究成果をご紹介したいと思います。
表情模倣から探る社会認知の発達
私たちはしばしば、無意識のうちに他者の表情や仕草を模倣したり、運動のタイミングを同期させたりする。そのような無意識の同調は、私たちの社会認知機能の基盤となっていると考えられているが、その発達過程についてはあまりわかっていない。今回、特に表情の模倣に着目し、表情模倣の初期発達と、社会認知機能の発達との関連について調べた研究を紹介する。