FBSコロキウム 174回ナノ・バイオフォトニクス研究室
講演 |
集光レーザービームの光摂動による神経細胞ネットワークの操作 細川千絵[産業技術総合研究所] |
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日時 | 2017年11月14日(火)12:15〜13:00 |
場所 | 生命機能研究科 生命システム棟2階 セミナー室 |
世話人 |
石飛秀和(ナノ・バイオフォトニクス研究室) |
集光レーザービームの光摂動による神経細胞ネットワークの操作
脳を構成する神経細胞ネットワークは、シナプス結合を介した情報伝達を行い、細胞間の結合強度を動的に変化させ、脳の情報処理を実現している。我々は、この神経伝達過程を可逆的に操作可能な手法として、集光レーザービームの光摂動を利用した細胞操作手法の開発を進めている。本講演では、集光レーザー摂動を用いた神経細胞の局所操作手法について紹介し、神経回路網の細胞機能制御への応用について述べる。
実施報告
第175回生命機能研究科研究交流会では、産業技術総合研究所バイオメディカル研究部門・主任研究員の細川千絵先生をお招きし、「集光レーザービームの光摂動による神経細胞ネットワークの操作」をテーマに、講演して頂きました。細川先生は、光学顕微鏡をベースとしてレーザー刺激による神経細胞ネットワークの光制御を目指して先進的な研究を行っておられます。講演では、光トラップ技術を用いた神経シナプス内の神経伝達物質の放出制御、蛍光プローブを修飾したイオンチャンネルの蛍光相関分光法による分布制御、パルスレーザー刺激による神経細胞の活性化や活性同期など、最新の研究成果をご紹介頂きました。最後に、産総研・阪大先端フォトニクス・バイオセンシングOILのご紹介がありました。いずれも非常に興味深いお話であり、講演終了後は会場から多くの質問がありました。聴講者は60名と大盛況でした。